自閉症スペクトラムとは、社会性の障害・コミュニケーションの障害
・想像力の障害の三つを持ち合わせる障害のことを言います。

 

この3つの障害を、「3つ組の障害」と呼びます。


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自閉症スペクトラムには、従来

 

「自閉症(知的障害を合わせ持つカナータイプの自閉症)」
「高機能自閉症(知的障害のない自閉症)」
「アスペルガー症候群(言語発達の遅れのない自閉症)」


「広汎性発達障害」
「高機能広汎性発達障害」
「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」


 

と呼ばれていたものが含まれます。

これらは最初、別々の障害だと認識されていましたが、
実際には自閉の濃度が違うだけで、
根本的には同じ障害であると考えられるようになりました。

 

現在では、重度の自閉症者から健常者まで、ひとつながりの連続体、
つまり【スペクトラム】であるという理解がなされています。
自閉症スペクトラムを調べてみると、一番多く目につく言葉が「パニック」です。

 

今回のテーマは、自閉症スペクトラムの子供はパニックになりやすいか、
というものですが、当事者として言わせていただきますと、答えは「イエス」です。

 
パニックとは、自閉症スペクトラムの人が、自分の感情をコントロール
できなくなる状態のことです。日本ではまだあまり浸透していませんが、
海外では「メルトダウン」と呼ばれています。


 
「パニック」というと、「パニック障害」という不安障害の一種と
間違われることがありますが、それとはまったく別の症状です。

個人的には、「パニック」というよりも、「メルトダウン」と表現する方が、
実態に合っていると感じます。

 


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パニックに陥っているときの状況を、内側から見た感覚でお話ししましょう。

パニックに陥る原因は、いろいろあります。例えば、「困っている」
「助けてほしい」がうまく伝えられないとき。

 

いやなことを無理やりさせられているとき。

予定が狂ってしまって、計画通りに物事が進まなくなったとき。

 

いつもと違う状況が起きたとき。これらのことでパニックを起こすのは、
自閉症の「3つ組の障害」に由来するものです。


それらのことが起きたとき、当事者の心の中には、不安や怒り、イライラ、
恐怖といったマイナスの感情が吹き荒れ始めます。


 

そして、不快の原因である事柄が止まないと、そのマイナスの感情の風が
どんどん勢いを増していきます。

それはまるで、台風が近づいてくるような感じです。


 

その時点で、うまくストレスを発散できればよいのですが、
それがうまくいかないのも、自閉症スペクトラムの特性です。

そして、不安や怒り、イライラ、恐怖といったマイナスの感情が頂点に
達したとき、その風は巨大な竜巻を引き起こし、心の中も、頭の中も、
めちゃくちゃに引っ掻き回してしまいます。

 

その巨大な竜巻は、何もかもを吹き飛ばしてしまいます。

理性も、感情も、すべて。 感情の暴走、爆発という意味では、
「メルトダウン(炉心溶融」に例えるのがぴったりです。

 

炉心溶融は、核反応が盛んになりすぎ、そのエネルギーが莫大になり、
炉を溶かしてしまいます。

それはまるで、パニック時に心の中に高圧のマイナスの感情が渦巻き、
心というカプセルの底に穴が開き、中身が漏れ出して感情を
外にぶちまけてしまう状況と同じです。

 

不安や怒り、イライラ、恐怖といったマイナスの感情がうまく処理できず、
パニックを起こしてしまうと、周りもつらいでしょうが、本人もとても消耗します。


そして、パニックがおさまったとき、
「どうしてこんなことで荒れなければいけないんだろう?」と自己嫌悪に陥ったり、
保護者などに対し「爆発してごめんなさい」と申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

 

本人も、本当はパニックなんて起こしたくはないのです。

穏やかに過ごしたい、そう願っています。

 

多数派さんとは違う感覚を持って生まれたために、ふつうなら何でもないことに、
とてつもないストレスを感じてしまうのです。多数派さんから見れば、
なぜパニックを起こすのか、理解しがたいでしょう。

 

何がいやなのか、うまく言葉で伝えることができない自閉症スペクトラムの人にとっては、
パニックを起こすしか方法がないのです。



 

ですから、うまく言葉で表現ができるようになったり、サインが出せるようになったり、
ほかのストレス発散の方法を見つけると、パニックは減らすことができます。

 

パニックを減らすには、適切な環境と対応が必要です。

療育等で、親子ともに対処を学ぶ必要があります。