精神(発達)遅滞とは、いわゆる知的障害のことです。

 

法令用語としては「知的障害」という言葉が用いられますが、
医学用語としては「精神(発達)遅滞」という言葉が用いられています。

知的障害とは、知的な能力が明らかに年齢の平均よりも遅れ、
とどまっている状態を言います。

 


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金銭管理や危機管理、身辺自立などの日常生活における支障や、
読み書き計算などの学習面において支障が出ます。

一口に知的障害と言っても、その重症度は様々です。

 

便宜上、次のように分けられています。

 

【知的障害の重症度】


 

・IQ50~69…軽度知的障害  知的障害のうち約85%
・IQ35~49…中度知的障害  知的障害のうち、約10%
・IQ20~34…重度知的障害  知的障害のうち、約4%
・IQ20未満…最重度知的障害  知的障害のうち、約1~2%


 

※IQ70以上を正常知能と定めていますが、
IQ70~80(あるいは85)をボーダーと呼ぶこともあります。


 
重症度別、年齢別に、主にどのような状態なのか、以下に挙げてみましょう。

 

【軽度知的障害】…IQ50~69


 

・幼児期

 
遅れに気づかないことがほとんど。

ぱっと見た感じでは異常は感じられない。

知能面、運動面の発達が少し遅れ気味であることもある。
身辺の自立も、年齢相応。

 

・6~20歳

 

小学校に上がると、勉強についていきにくくなる。

低学年のうちはまだ遅れに気づかれにくい。

高学年になるころから、勉強についていけなくなる。

 

このころに知的障害の診断を受けることも多い。

18歳を超えても、学力は小学校5年生・6年生程度にとどまる。

 

・成人期…法的なことなど、複雑な意思決定は難しいが、大概のことは自分でできる。

 

軽度の社会的ストレスや経済的ストレスがある場合、支援が必要になることもあるが、
仕事の内容を選べば、一般就労で働くことも可能。家族を持つことも可能。

 

【中度知的障害】…IQ35~49


 

・幼児期

 

会話をすることは可能で、コミュニケーション能力を獲得することができる。
療育によって伸びる可能性も大きい。

 

・6~20歳

 

小学校程度の学習ができる。知っている場所なら一人で行動することができる。

訓練により、社会的スキルの獲得や、職業的な能力を獲得することが可能。
18歳以降も、学力は小学校2年生・3年生程度にとどまる。

 

・成人期

 

軽度の社会的ストレスや経済的ストレスがあるときに、
適切な指導や援助が必要となる。


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作業所や、仕事の内容によっては自立が可能。

 

【重度知的障害】…IQ20~34


 

・幼児期

 

訓練により、多少の身辺自立の能力を獲得できる。

コミュニケーションは難しいが、少しの単語を話すことができる。
協調運動など、体をうまく使うことが苦手。


 
・6~20歳
 
健康管理のための簡単な生活習慣は身につけられる。

訓練次第では、日常生活はほぼ問題なくできる。


 
会話が可能で、コミュニケーション力を身につけることができる。
18歳以降も、3~6歳程度の知能にとどまる。


 
・成人期
 

管理下、保護下では自力で安全管理ができる。完全な管理下、
保護下では、身の回りのことをある程度自力ですることが可能であることもある。

 

【最重度知的障害】…IQ20未満


 

・幼児期

 

協調運動が不可能。医療サービスが必要な場合もある。
認知機能が障害されている。寝たきりである場合も多い。

 

・6~20歳

 

コミュニケーション力に限界があり、ほとんど話すことはできない。
運動調節が少しできる。18歳を過ぎても、3歳未満の知能にとどまる。

・成人期…看護ケアが必要で、身辺自立はほとんど不可能。

 
重症度で、まったく状態が違うということがお分かりいただけると思います。
知的障害が重度であればあるほど、発見は早くなります。


早期に発見し、療育を受けることで、障害の程度が改善する場合もあります。

 

また、どれだけ幼いうちから、しっかり自立の訓練を受けることができたかで、
成人期の自立の度合いも変わってきます。

ですので、IQがこれくらいだから、必ずこうなる、とは言い切れません。

 

将来の自立の程度を想定し、療育や日常生活で訓練を重ねることが必要です。

また、様々な支援を受け、本人も家族も生きやすい環境を整えることも、大事です。