知的障害者福祉法とは、知的障害者の日常生活や社会生活を
総合的に支援することを定めた法律です。

 

それとともに、知的障害者の自立・社会的活動や経済活動の
参加を促進するため、知的障害者を援助・保護することを定めています。

 

つまり、知的障害者の福祉について取り決められた法律です。
知的障害とは、知的な能力が明らかに年齢の平均よりも遅れ、
とどまっていることをいいます。

 


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知的な能力の遅れが発達期(おおむね18歳ころ)までに現れ、金銭管理や
身辺自立などの日常生活の支障、読み書き計算などの学力に支障があります。

知的障害には、重症度によって4つの区分があります。

 

【知的障害の重症度別区分】

 
・IQ50~69…軽度知的障害
・IQ35~49…中度知的障害
・IQ20~344…重度知的障害
・IQ20未満…最重度知的障害


 

※IQ70以上が健常とされていますが、IQ70~80
(あるいは85)をボーダー、IQ80以上を正常とみなしています。


 
療育手帳は、「愛の手帳」「愛護手帳」「緑の手帳」などと呼ばれることもあります。

いずれも、知的障害者に交付される手帳で、知的障害者に対し、
一貫した指導や相談、いろいろな援助を受けやすくするための手帳です。

 

都道府県知事や政令指定都市の市長によって発行されます。

知的障害者福祉法には、療育手帳に関する記述はなく、
「療育手帳制度の実施について」という文書で定められているだけです。

 

身体障害者手帳や、精神保健福祉手帳のように、
法律で定められているわけではなく、罰則もないゆるい決まりとなっています。

そのため、解釈が広がり、各都道府県や政令指定都市によって、
判定基準にバラツキが出てしまっています。

 

「療育手帳制度の実施について」という文書において
定められている重症度は、以下の通りです。


 
①A…重度
②B…それ以外


 
これら以外に、療育手帳のランクを細かく分けている都道府県や
政令指定都市がほとんどです。


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内容を細かく分けたり、手帳の別名をつけることも、都道府県知事や
政令指定都市の市長に任されています。

 

また、療育手帳を交付するIQの上限も、
70だったり75だったりと、地域によって違います。


いくつか例を挙げてみましょう。

 

【例1】

 
A(重度)


 
・IQ35以下かつ日常生活の介助が必要だったり、問題行動がある
・IQ50以下かつ視覚・聴覚・肢体不自由などが重複している



 
B(その他)
 
・A以外

 

【例2】

 
A1
 
・IQ20以下
・IQ21~35で、身体障害1・2・3級を重複している

 
A2
 
・IQ21~35で、Aに当たらない
・IQ36~50で、身体障害1・2・3級を重複している

 
B1
 
・IQ36~50でA2に当てはまらないもの
・合併症(自閉症などの障害、問題行動など)のあるIQ51以上のもの

 
B2
 
・IQ51以上で、B1に当たらないもの

 

【例3】

 
A1…最重度知的障害
A2…重度知的障害
B1…中度知的障害
B2…軽度知的障害


 
以上はほんの一例ですが、これだけでも、地域によって大きな差があることがわかります。


 
そのため、ある都道府県では療育手帳がもらえるのに、その隣の
都道府県では手帳が発行されなかったり、引っ越しをしたら
手帳の等級が変わってしまったりということが実際に起きています。

 

現在、地域によるばらつきを解消することが話し合われているようです。
療育手帳は、自ら申請して受け取ることになります。

 

申請をすると、18歳未満の場合は児童相談所で、18歳以上の
場合は知的障害者更生施設などで知能テストや日常生活の
様子の聞き取りを行い、療育手帳の交付の可否やランクを判定します。

 

判定する施設の名称は、地域によって異なります。

療育手帳を持っていると、税金の減免が受けられたり、乗り物の運賃が
割引になったり、福祉手当がもらえるようになります。


 
また、就労に当たって、適切な支援を受けやすくなります。

持っていて邪魔になるものではありませんので、知的障害に該当する場合は、
様々な支援を受けやすくなるよう、療育手帳の取得を考えましょう。