ADHDとは、「注意欠如・多動性障害」と呼ばれる、
多動性・衝動性・注意力にまつわる行動上の障害です。

 

少し前までは「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれていましたが、
「欠陥」の言葉の意味のイメージが悪いため、現在日本では、
「注意欠如・多動性障害」と呼んでいます。

 


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ADHDは、生まれつきの脳の機能の異常による障害であると
言われており、一生その特性が治ることはないと言われています。


しかし、適切な環境設定や、適切な周囲の関わりにより、
その特性をマイルドにすることは可能です。

 

ADHDの診断は、子供の場合は小児科や児童精神科で行います。

大人であれば、ADHDなどの発達障害の診断ができる精神科で行います。

 

診断では、保護者に小さいころからの日頃の行動や様子について、
しっかりと聞き取りをします。

 

また本人に問診したり、本人の様子を直接観察します。

自閉症スペクトラム障害や知的障害など、他の障害や病気との
鑑別のため、時間をかけて慎重に行われます。

 

実際にあった例として、授業中に立ち歩くのでADHDだと
思って病院を受診したら、てんかん発作だった、ということもありますし、
不注意が多いので受診したら軽度知的障害が発覚した、という場合もあります。


 
その場合、ADHDへの対処とは全く別の対処が必要になりますので、
専門家にしっかりと見極めてもらう必要があります。

 

ADHDは一生治らない障害ですが、症状を軽くし、
日常生活や社会生活を少しでも送りやすく、
自分らしく生きるために治療が行われます。

 

治療には、薬を使わない治療と、薬を使う治療の二種類があります。

 

 

【薬を使わない治療】

 

 

薬を使わない治療とは、教育・療育的支援のことをいいます。

周囲がADHDの当事者の困難を理解し、特性に合わせた
適切なかかわりを持つことから始まります。

保護者がADHD当事者への適切な対処法を学ぶ
「ペアレント・トレーニング」や、ADHD当事者が、
その場その場に適した行動を取れるよう練習する
「SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)」などがあります。

 


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また、気が散らない環境づくりなどの環境調整や、
心理面でのアプローチなども、薬を使わない治療に含まれます。


 

【薬を使う治療】

 

 

環境調整や、心理面でのアプローチ、教育・療育的支援では
なかなか症状が改善されない場合、薬の力を借りることもあります。

使用される薬はストラテラ(一般名:アトモキセチン)
コンサータ(一般名:メチルフェニデート)です。
これらは、不足している神経伝達物質を補い、症状を軽減させます。

症状の程度に合わせて量を調整し、
必要最低限の量を服用することになります。

 

薬を使うとなると、抵抗があるかもしれません。

 

しかし、実際に服用した当事者によると、常にぼんやりと
眠気のようなものが漂っていたのがなくなり、集中力がアップしたり、
動き回りたい感覚が抑えられ、日常生活や社会生活における困難が
改善された、楽になったという意見が多く聞かれます。

 

子どもに薬を服用させることに抵抗がある場合、主治医と相談し、
一度子供に服薬させてみて、本人に薬を飲んだ方が楽か、
飲まないほうがいいか聞いてみるのもよいかもしれません。

 

薬の効果や、障害の困難さは、本人にしかわかりません。

ですから、服薬をするかしないかは、それが判断できる年齢であれば、
本人に判断してもらうのが一番です。

 

ただし、副作用が辛く飲めない場合もありますし、薬を服用することで
ひらめきやアイデアが失われ、つまらなくなるという意見もあります。

また、薬によっては休薬期間が必要なものもありますので、
主治医と充分相談して服薬する必要があります。

 
本人が自分や周囲と折り合いをつけられるようになれば、治療は終了です。

 

しかし、治療が終了したとはいえ、ADHDはあくまで生まれ持った脳の特性であり、
完治しているわけではありません。


本人や、周囲の状況によって、再び治療が必要となることもあります。

 

環境調整などで上手く乗り越えられるだけの力をつけたり、
周囲に協力を要請するだけの力をつける努力も必要ですが、
場合によっては薬の力を借りて、上手に生きていくこともまた、必要なことでしょう。