ADHDは、「注意欠如・多動性障害」とも呼ばれ、
最近ではよく耳にするようになった障害名です。

 

以前は「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれていましたが、
「欠陥」という言葉のイメージが良くないとのことから、
現在、日本では「注意欠如・多動性障害」と呼ばれています。


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ADHDは、注意力・衝動性・多動性に関する行動上の障害です。

症状は、以下の通りです。

 

【不注意】

 

・一つのことに集中するのが難しい
・集中が長続きしない
・興味のあることには異様に集中し、注意力の切り替えができない(過集中)

 

・周りの刺激に気を取られやすく、すぐに気が逸れる
・忘れっぽく、すぐにものを失くす
・同じことを繰り返すのが苦手

 

など

【多動性】

 

 

・落ち着いて座っていられない
・しゃべりすぎる(口の多動)
・目的なくうろうろしてしまう
・過度に活動的になる
・考えが止まらない(頭の多動)

など

 

【衝動性】

 

 

・相手の質問が終わらないうちに、答えてしまう
・話を最後まで聞けない

 

・自分のしたいことがあると、人のしていることを遮ってでもしてしまう
・感情がコントロールできず、すぐに怒ったり、手を出してしまったりする
・衝動買いをしてしまう

 

など

 

これらは、脳の機能が未熟なために起こる行動であり、
決して人を困らせようと思ってしているのではありません。

 

まずは、そのことを周囲が理解し、本人の自己肯定感が下がらないよう、
あたたかく見守ること、否定することなく認めることが重要です。


 


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では、具体的にどのように接したらよいのでしょうか。


 

まずは、環境の調整が大事です。例えば、周りの刺激に気を取られやすく、
すぐに気が逸れるような場合、活動の場に不必要なものを置かないなど、
シンプルな環境を作りましょう。

 

勉強や仕事をするときは、机に囲いを作ったり、作業スペース自体を
パーテーションで区切るなどして、視野を制限し、余計な刺激を減らしましょう。

 

学校の教室では、先生の前の真ん中の席にしたりするなど、
他の児童が視界に入りにくい位置に座らせるのがよいでしょう。

 

また、窓際をさけ、できるだけ刺激の少ない席にしましょう。

過集中になってしまう場合、キッチンタイマーやスマートホンのアプリなどを
利用し、上手く集中力をコントロールできるように練習する必要があります。

 

指示を出すときは、具体的に指示を出しましょう。

 

ADHDの人は、ワーキングメモリー(短期記憶)が充分に働いていないと
考えられており、言われたことをすぐに忘れてしまいます。


 

ですから、記憶しておく手がかりとなるもの(文字やマーク、カードなど)を
本人の視界に入るところに置いておくなどの工夫が必要です。


 

また、一度にいくつもの指示をせず、一つずつ指示を出しましょう。

 

指示を出すときは必ず単純で分かりやすい表現にしましょう。

すぐに指示を忘れてしまうため、何度も繰り返し言うことになりますが、
面倒がらずに根気よく指示を出してください。

 

必要な物や手順があるときは、チェックリストを用意し、用意したもの、
行った手順を一つずつ目で見て確認できるようにすると本人も安心です。

 

予定なども、リストにして、済んだ行動を順番に消していくと、
次にとるべき行動を思い出すことができます。

 

子どもにリストを活用させるときは、必ず大人が一緒に確認し、
確実に実行できるように補助しましょう。

苦手なことができた時や、なにか物事がうまく行ったときには、
しっかりと褒めましょう。

 

良い行動ができたら、その場ですぐにしっかりほめることが大事です。

少し大げさなくらい、「うれしい!」とか「ありがとう!」という感情を表して褒めましょう。

 

適切な行動ができた時には、ご褒美を与えることも有効です。

ご褒美といっても、高価な物や、お菓子である必要はありません。


 

シールを貼ったりスタンプを押すだけでもいいですし、ポイント制にして、
決められたポイントがたまれば本人の希望を一つ叶えるなどでも良いでしょう。


 

不適切な行動を取った時には、感情的にならずに、
本人に近づいて落ち着いた声で取るべき行動を教えてください。

 

その時には、否定的な言葉ではなく、
肯定的な言葉を使うよう、気をつけましょう。

 

例えば、走ってはいけない場面で「走るな!」というのは否定的な言い方で、
しかも取るべき行動の指示が含まれていません。

「歩きましょう」というのが肯定的な言い方で、
取るべき行動の指示が含まれたよい叱り方です。

 

また、好ましくない行動を取った時には、
その行動を無視するという方法もあります。

その場合は、本人の存在を無視するのではなく、行動だけを無視してください。


 

子どもの発言や行動に対して反応はしながら、
上手にいなすよう、心がけてください。
どの対応方法にも共通するのは、「本人の自尊心を育てる」ということです。

 

決して、本人の自己肯定感を下げるようなことは、しないでください。

不適切な接し方をして、二次障害を発症させてしまうと、
本人も周囲も本当に辛い思いをすることになります。

 

ですから、適切な対応は、とても重要です。