学習障害とは、特異的発達障害とも呼ばれ、
明らかな知的障害がないにもかかわらず、
学習のある一面にのみ明らかなつまずきや
困難が見られる障害です。

 

最近では、LDと呼ばれることも多く、
耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。


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聞くこと、話すこと、文字を書くこと、読むこと、
計算すること、推論すること
といった能力のうち、
特定のものの習得や使用が、とても難しいのが、学習障害です。

 

学習障害は、発達障害に含まれます。

発達障害というおおきな枠組みの中には、
自閉症スペクトラム障害やADHD(注意欠如・多動性障害)、
学習障害、発達性協調運動障害、トゥレット症候群
などが入っています。

 

学習障害も発達障害の一つなのです。

自閉症スペクトラム障害は「広汎性発達障害」と呼ばれ、
いくつかの能力にわたる全般的な発達の偏りがあります。

それに対し、学習障害はごく限られた能力にのみ、偏りが見られます。

 


学習障害と、他の発達障害は重複して持っていることもあります。


学習障害の原因は、中枢神経系の異常であると言われています。

認知発達の部分的な偏りや遅れによって生じる障害で、
男児に多いとも言われています。

 

アメリカの精神科領域の診断基準であるDSM-Ⅳでは、


学習障害は算数障害(ディスカリキュア)、
読字障害(ディスレクシア)、
書字表出障害(デスグラフィア)、


特定不能の学習障害の細かい分類がありました。

 

DSM-5では、「限局性学習症」や「限局性学習障害」と呼ばれ、
重度から軽度までのスペクトラムになっているとされ、
重症度を軽度・中度・重度の3段階に評価することになりました。

また、読み、書き、計算などの苦手領域は、
付け加えて示すことになりました。

 


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学習障害は、学習するうえでの困難を抱える障害ですので、
発見されるのは小学校に入ってからになります。

勉強するようになってはじめて、障害に気が付くのです。

 

低学年の間は「まだ幼いから」とか「個性の範囲内」
考えられがちですが、高学年になるにつれ、
周囲との差がどんどん開いていきます。

ですから、特に小学校4年生以降に
診断されることが多いようです。

 

最近になって、学習障害が増えているように
思われるかもしれませんが、昔から、
一定数いたことは間違いありません。

音読が苦手だったり、どうしてもうまく文字が書けなかったり、
書き取りに時間がかかったり、年齢相応の計算ができなかったり、

そういう子供は、学校に少なからずいました。

 

極端に苦手な場合、それは個性ではなく、
障害であると認識され出したのが、最近のことなのです。

学習障害は、自閉症スペクトラム障害やADHDと
間違われることもありますが、自閉症スペクトラム障害や
ADHDと、学習障害では、対策が違ってきます。

 

ですから、きちんと診断してもらう必要があります。

診断は、小児神経専門医や児童精神科、精神科
(学習障害の診断のできる精神科に限る)によって行われます。

 

学習障害の診断を行う時は、知的障害を否定するために、
まずはWISCや田中ビネー知能検査などの、
知能テストが行われます。

そこで学習障害の可能性があると判断された場合、
PRSという、学習障害の有無を確定する検査が行われます。

 

その検査では、聴覚からの理解や記憶力、話し言葉での表現力、
社会的行動の能力など、各種能力を1つずつ、詳しく調べていきます。

その検査によって、どの領域の学習障害であるのかが、判断できます。

 


学習障害の人は、もののとらえ方や理解の仕方に
少し癖があるため、他の人と同じ方法で学習するのが苦手です。


そのため、本人のペースで学習すること、あせらず繰り返し
学習することなど、きめ細やかな配慮が大切です。

 

生まれつきのハンデだということをしっかりと理解し、
当事者に自信を失わせないことも重要です。

学習障害であると診断された場合、現在では、
苦手分野に合わせて、補助具を使う方法が広まっています。

 

書くことが苦手であれば、板書時にワードソフトを使ったり、
i-Padなどの端末機器を使って写真を撮ったりすることもできます。


読むことが苦手であれば、読み上げソフトを使うこともできます。
計算が苦手であれば、電卓を使うことで補えます。


 

そのように、道具を使って苦手分野を補い、
自信を持って勉強できるよう指導することが、とても大切です。

また、それが「特別扱い」なのではなく、「生きる上での大切な工夫」
であることを、本人も周囲も認識できるよう配慮する必要があります。