小児自閉症とは、いわゆる自閉症のことです。


 

小児期に自閉症の特徴が顕著で、診断がつくことから、
そう呼ばれます。

 

現在では、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、
広汎性発達障害
など、自閉症の周辺の障害を全てひっくるめて、
自閉症スペクトラム障害と呼ばれています。


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小児自閉症評定尺度とは、CARS(カーズ)とも呼ばれ、
小児が自閉症スペクトラム障害であるかどうかを判断する
ために使用されます。

 

また自閉症療育プログラム(TEACCH)を効果的に
進めるための材料として、使用されます。

従来、自閉症スペクトラム障害の診断は、熟練の医師などが
ぱっと見て、経験から診断をしていました。

 

しかし、この小児自閉症評定尺度を使用することで、
熟練者でなくとも比較的正確に結果が出せるようになりました。


熟練者の勘に頼らず、きちんと数値化して評価できるため、
広く使用されています。


 

小児自閉症評定尺度を使用する場合、かなりの時間をかけて
子供を観察し、15項目の内容それぞれについて、
正常範囲内・軽度の異常・中度の異常・重度の異常の判断をし、
点数をつけていきます。

 

総スコアが30点以上の場合、自閉症と診断されます。

 

30点以下でも、従来、アスペルガー症候群や広汎性発達障害と
呼ばれていた自閉症スペクトラム障害の可能性は、否定されません。


小児自閉症評定尺度は、あくまで自閉症スペクトラム障害の
中核である「自閉症」の有無を判断するものだからです。

 

改定が繰り返され、現在では親でも割と正確に結果が
出せるようになっています。

日頃の観察により実施できるため、普段から子供の様子を
しっかりと見ている人(親など)であれば、あまり時間はかかりません。

 

かかる時間は、実施する人や、対象となる子供の様子によって、
変わってきます。

参考までに、小児自閉症評定尺度ではどのようなことを調べるのか、
簡単に書いておきます。

 

【小児自閉症評定尺度】

 

1.人との関係


 

アイコンタクトが少ない。目を合わせることを嫌がり、
視線をそらす。人がいても、まるで存在しないかのような素振りをする。

よそよそしい態度。人をもののように扱う。抱かれることを嫌がる。

人見知りが極端に強い。

 

他人に関わろうとする行動がほとんど見られない。
母子分離不安が異様に強い、など。
 

2.模倣


 

模倣があまりない。しばらく時間がたってからまねることもある。

バイバイしない、逆さバイバイをする。
赤ちゃん向けの手遊びに関心がない、など

 

3.情緒反応


 

表情に乏しい。能面のように無表情。理由もなくけらけら笑う。

表情と感情が一致しない。気分を切り替えることが極端に苦手。
すぐにかんしゃくを起こしたり、ころころと気分が変わる、など。


 

4.身体の使い方


 

身体を前後に揺らす(ロッキング)。

ぴょんぴょん飛び跳ねる。手をひらひらさせたり、
指をくねくねさせる。つま先立ちで歩く。

 

その場でくるくる回る。全体的に体が固い。
動き方がぎこちない。低緊張で体がぐにゃぐにゃしている、など。

 

5.物の扱い方


 

ものをくるくる回したり、ひらひらさせて遊ぶ。

ものを一列に並べる。おもちゃの本来の遊び方で遊ばない。

いつまでも赤ちゃんのような幼稚な遊び方をする、など。

 


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6.変化への適応


 

変化が苦手で不安になりやすい。同じ行動を続けようとする。

偏食が酷い。物の場所を変えると怒る。
新しい状況に対して不安が強い、など

 

7.視覚による反応


 

ものを横目で見る。くるくる回るものやきらきら光るものを好んで見る。

ものをしっかり見ることが苦手。極端に近づいて見る。
他人の視線から逃げる、など。

 

8.聴覚による反応


 

聞こえていないように振る舞う。人の声に反応しにくい。

小さな物音や特定の音に驚いて耳を塞ぐ。

 

大きい音でも聞こえていないかと思えば、
通常聞こえない小さな音が聞こえていたりする、など。

 

9.味覚・臭覚・触覚反応とその使い方


 

偏食が酷い。嗅覚過敏。皮膚感覚などの触覚が過敏。
痛覚の過鈍、など。

 

10.恐れや不安


 

なんでもないものを怖がる。突然パニックをおこし、
なだめるのが難しい。危険なことに対して危機意識がなく、
まったく怖がらない、など。

 

11.言語性のコミュニケーション


 

話さない。奇声を上げる。オウム返しがある。言葉が棒読みだったり、
イントネーションがおかしい。言葉の選び方が不自然。

言葉の意味を理解していない。文字どおりの理解しかできない、など。

 

12.非言語性のコミュニケーション


 

指差しをしない。

表情やボディランゲージでの意思疎通が少ない、など。

 

13.活動水準


 

動き回りすぎたり、じっとしすぎていたりする、など。

 

14.知的機能の水準とバランス


 

能力に凸凹があり、できることとできないことのばらつきが大きい、など。

 

15.全体的な印象


 

軽度・中度・重度・極度の自閉症のどれにあたるか。