自閉症スペクトラム障害の人と上手くかかわるには、
コツが必要です。

自閉症スペクトラム障害の人への接し方は、インターネットで
検索してみれば、いろんなものが出てくるでしょう。

 

しかし、それらはあくまで健常者から見てよいと思われるものです。

ここでは当事者目線で、「こうしてもらえればうれしい、助かる」
というものをご紹介しましょう。

 


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【自閉症スペクトラム障害の人の接し方・対応】

 

・話すときには、わかりやすい言葉で、はっきりと発音する

 

自閉症スペクトラム障害の人には、知的障害を抱える人もいれば、
知能は正常な人もいます。

相手の知的水準に合わせた言葉がけをお願いします。

 

できるだけ短い言葉で、はっきりと話してください。

言葉が流暢でも、聞き取りが苦手な場合が多々あります。

 

短いフレーズで、はっきりと発音してもらえると、
理解しやすくなり大変助かります。

 

・社会のルールなどが守れない時は、その場で優しくどうするべきか教える

 

突然怒鳴られるとパニックになり、普段なら理解できることも
理解できなくなってしまいます。

「怒鳴られた」という恐怖のみが頭を占領し、言葉を
聞きとる余裕がなくなってしまいます。

 

ですから、静かな声で、取るべき行動を教えてください。

そうすることで、上手く理解できます。

 

・無理に目を合わせようとしない

 

人と話すときは目を合わせなさい、とよく言われます。

しかし、自閉症スペクトラム障害の人にとって、
それはとても負担のかかることです。

 

一度にいくつもの動作を並行して行うことが苦手なため、
言葉を聞き取ることと、相手の目を見ることの二つの動作を
同時にできません。

目を合わせると、相手の話が聞き取れなくなります。

 

また、目が合うととても威圧感があり、恐怖を感じます。

 

・急な予定変更は避ける

 

特性で、環境や予定の変更が苦手です。

環境が変わったり、予定が変更されると、
とても不安になります。

 

世界が崩壊してしまうような、そんな感覚です。

あらかじめ予定には変更が
あるかもしれないことを伝えておいてください。

 

また、変更せざるをえない時は、できるだけ早く紙に
書いてみせたり、写真を使うなどして、本人が理解できる形で、
納得できるように説明してください。

そうすることで、心構えができ、変化に対応できるようになります。

 

・こだわりが強いことを理解する

 

こだわりは、自閉症スペクトラム障害の人が
安心するために必要なものです。

多数派さんの「クセ」のようなものです。

 

他人の迷惑になるようなこだわりでなければ、
本人が安心できるものですので、認めてあげてください。

 

・何かを伝える時は、否定語でなく肯定的な表現で

たとえば、走り出したこどもに「走るな!」と言うのは否定です。

 

それに対し、「歩きましょう」と言うのが肯定です。

自閉症スペクトラム障害の人は、否定的な言葉に敏感で、
自己肯定感が低くなりがちです。

 

そのため、自尊心を傷つけないよう、
できるだけ肯定的な言葉がけをお願いします。

毎日否定的な言葉を言われ続けたら、「自分はダメな人間だ」
と思ってしまうのが人間です。

 

それは、自閉症スペクトラム障害の人も同じなのです。

 

・どこで何をするのか、場所を決める

 

自閉症スペクトラム障害の人は、気持ちの切り替えが苦手です。

「ご飯を食べる場所」「勉強する場所」「遊ぶ場所」
「リラックスする場所」
などを分けると、
気持ちの切り替えがしやすくなります。

このように、場所を分けることを【物理的構造化】と呼びます。

 

・いくつもの情報を一度に提示しない

 

自閉症スペクトラム障害の人は、いくつもの情報を
一度に処理することが苦手です。

ですから、なにかを見せながら説明するのではなく、
本人が対象物を見たことを確認し、一呼吸おいてから
説明を付け加えるのが効果的です。

見ながら話を聞こうとすると、訳が分からなくなりますから、
少し間をあけて説明してもらえると、理解しやすくなり、助かります。


 

・パニックを起こした時は、安全を確保した上で、そっとしておきましょう

 

パニックを起こしている時というのは、感覚や感情の
バケツがあふれかえって、大洪水を起こしている状態です。

むやみに刺激しないでください。体に触れたり、話しかけたりするのは、
少し落ち着いてからにしてください。


パニックの時は脳が何も受け付けません。

 

一人になれる、少し狭い静かな場所が落ち着きます。


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そのような場所を確保しておいてもらえると、助かります。

また、コーピンググッズ(癒しグッズ)を持ち歩かせてもらえると、
ストレス発散がしやすくなります。

 

・感覚過敏への対処に理解を

 

自閉症スペクトラム障害の人は、
様々な感覚過敏を持ち合わせています。

視覚過敏の場合、光がまぶしかったり、文字が見えにくかったり、
本が光って読みにくかったりします。

 

そのようなときは、サングラスを使うと楽になることがあります。

また、アーレンシンドロームを併発している場合、
「アーレンレンズ」という特殊なレンズのメガネをかけることで、
症状が軽減することがあります。

 

聴覚過敏の場合、デジタル耳栓やイヤーマフ(防音用)
ノイズキャンセリングヘッドホン、耳栓などを使って、
音の洪水から身を守る必要があります。

 

音の刺激はとても辛く、音が脳に突き刺さり、
場合によっては吐いてしまいます。

大人の自閉症スペクトラム障害の人は、環境や聴覚過敏の
程度によって、個々に合った道具を使い分けています。

 

触覚過敏の場合、化学繊維の服がチクチクして着られなかったり、
触られるのを嫌がったりします。

突然体に触れられるとパニックを起こしてしまうこともあります。

そういった特性は、我慢できるものではありません。

 

学校の制服が着用できない、という場合もあります。

無理に制服を着ないですむよう、理解をお願いします。

嗅覚過敏・味覚過敏を持ち合わせていると、
ひどい偏食になる場合があります。

 

これは単なる好き嫌いではなく、本人にとっては吐くほど
ひどい味・匂いに感じている場合があります。

そのような場合、食べることを無理強いしないでください。

痛覚過敏の場合、ちょっとした痛みにも過敏で、大人でも
注射で涙を流してしまう場合もあります。

 

「このくらいで泣くな」などと言わず、
本人の感覚を認めてあげてください。

 

・感覚鈍麻に注意してください

 

感覚過敏があれば、感覚の鈍麻もあります。

両方を持ち合わせている場合もあります。

 

特に怖いのは、痛覚の鈍麻です。痛みに鈍く、
体の不具合に気付きにくいため、重症化する恐れがあります。

痛覚の鈍麻が疑われる場合、特にこどもの場合は、
しっかりと様子を見ておくことが大事です。