非定型自閉症は、アメリカ精神医学会が作っている
DSM-Ⅳ―TRという診断基準において、

「発症年齢が遅いこと、または非定型の症状または
閾値に満たない症状」
と定義されています。

 


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DSMとは、アメリカ精神医学会が作っている精神科領域の
診断基準で、日本では「精神障害の診断と統計マニュアル」
「精神疾患診断統計マニュアル」などと呼ばれています。

2014年には、DSM-Ⅴが発表され、
自閉症関連の定義が見直されるなど、話題になっています。

 

自閉症は3歳頃までに特徴的な症状が見られ、
「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「想像力の障害」
の3つの障害がすべてそろってはじめて診断されますが、

非定型自閉症は3歳以降に症状が確認されたり、
3つの障害がすべてそろっておらず、自閉症と
言い切れないが自閉症の特徴を備えている状態を指します。

 
自閉症に特徴的な3つの障害は、以下の通りです。

 

①社会性の障害

 

視線が合わない、無理に視線を合わせようとすると
嫌がって視線をそらす、名前を呼んでも反応しない、
人に関心を示さない、他の子供に興味がない、

一人遊びが多い、大人が一緒に遊んであげようとすると嫌がる、
異様にマイペース、迷子になっても平気、母親を求めない、など

 

②コミュニケーションの障害

 

言葉が出ない、言葉が出るのが遅い、言葉は出ていても
使い方がおかしい、ジェスチャーなど言葉以外の
コミュニケーションが少ない、表情が乏しい、指差しをしない、

大人の手を掴みクレーンのように動かしてものを取らせる
(クレーン現象)、逆さバイバイがなおらない

 

③想像力の障害

 

手を目の前にかざして眺めている、手をひらひらさせる、
手を鳥がはばたくようにパタパタと振る、その場でくるくると
回り続ける、つま先で歩くなどの常同運動が見られる。

光るものや回るものをみつめる、一つのことに熱中し、
飽きもせずずっと同じことを続けるなど、興味の偏りがある。

 

特定のものに執着し、同じ服しか着なかったり、
同じおもちゃでしか遊ばなかったりする。


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物を一列に並べたりする。いつもと違う状況
・環境になると不安になってパニックやかんしゃくを
起こすなど、こだわりが強い。

 
これらを、自閉症の3つ組の障害と呼びます。

以上の3つの障害が確認されると、「自閉症」と診断されます。

 
非定型自閉症と診断される場合には、年齢もしくは、
3つ組の障害のどれか1つあるいは2つの基準を満たしません。

非定型自閉症と呼ばれるものには、以下の3つの状態があります。

 

Ⅰ 発症年齢のみの非定型群


3歳以降になってはじめて自閉症の症状がみられる

 

Ⅱ 症候上のみの非定型群


 

3歳以前に自閉症の症状が出現しているものの、
その症状が軽いもの及び自閉症の特徴である
「社会性」「コミュニケーション能力」「想像力」
1つまたは2つを満たさないもの


 

Ⅲ 発症年齢及び症候上の両方の非定型群


 

3歳以降になってはじめて自閉症の症状が見られ、
かつその症状が軽いもの及び「社会性」
「コミュニケーション能力」「想像力」
の1つまたは2つを満たさないもの

 

以上のように、3つに分けることができるのですが、
必ずしも症状が軽いともいえないのが実情です。

たとえば、知的障害が重く、3歳ころの自閉症の診断時に、
3つ組を満たすだけの知的発達に至っていない場合、
非定型自閉症と診断されます。

 

その後、知的な発達が伸びてきてはじめて、自閉症の3つ組の
障害が顕著になり、改めて自閉症と診断される場合もあります。

また、非定型自閉症には、特定不能の広汎性発達障害
(PDD-NOS)やアスペルガー症候群
などが含まれます。

 

非定型自閉症だからといって、
必ずしも自閉度が軽いわけではありません。

自閉症ほど典型的な症状が出ていない場合は、
自閉度が軽いと考えてもよいでしょう
(自閉度が軽い=困難が少ないという訳ではありません)。

 

しかし、重度の知的障害を伴う非定型自閉症の
場合、簡単に自閉度を決めることはできません。

現在は、これらすべての自閉症の仲間を含めて、
自閉症スペクトラム障害と呼んでいます。

 

非定型自閉症も、自閉症スペクトラム障害に含まれますから、
原因は自閉症と同じです。

まだはっきりと原因はわかっていませんが、脳になんらかの
機能的異常があり、障害を引き起こしていると考えられています。