折れ線型自閉症とは、自閉症の中でも3分の1を
占めるとされるタイプの自閉症で、
1歳半~2歳半頃までは健常児と同じ正常な発達をたどり、

 

その後突然、それまでできていたことができなくなり、
自閉症に特徴的な行動が顕著になるもののことをいいます。

 


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最近では。折れ線型自閉症とそうでない自閉症を
区別する必要はない、という専門家の意見もあります。

 

生まれてからずっと正常に発達し、標準的な時期に
発語や模倣などの行為が出ていたにもかかわらず、
それらの行為が突然失われ、成長の後退が見られる
ケースの自閉症が折れ線型自閉症です。

 

「おつむてんてん」「はーい!」などの赤ちゃんの
遊びも上手にできていたのに、それができなくなり、
名前を呼んでもふりむかない、返事をしない、
などの異変が起こります。

 

それが突然起こるため、赤ちゃん返りと間違えられたり、
たまたま調子が悪いだけだと思われて、
気付かれにくいことがあります。

 

後退を起こす時期が、1歳半から2歳半ころと、ちょうど
弟や妹が生まれたり、親が仕事に出るようになったりする
時期と重なることが多いため、赤ちゃん返りと間違われやすいのです。

 

赤ちゃん返りであれば、まめにほめたり、しっかりと
コミュニケーションを取ることで状態は改善します。


しかし、そのような対応をしても状態が改善されない場合、
折れ線型の自閉症を疑う必要があります。

 
折れ線型自閉症では、発達が後退し始めると、
自閉症の特徴がはっきりと見られるようになります。

自閉症には、大きく分けて次の3つの特徴があります。

 

①対人関係の障害

 

視線を合わせることが難しい、呼んでも反応しない、
人に関心を示さない、家族にも興味を示さず一人で
うろうろ歩き回ったりする、他の子に興味がなくなる、

一人遊びが多く遊んであげようとするとかえって嫌がる、
外に出ても一人でいるかのようにふるまい勝手に走って
行ってしまう、異様にマイペース、


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自分の思うとおりにならにと癇癪を起こして手が付けられない、
迷子になっても泣かないなど

 

②コミュニケーションの障害

 

言葉の遅れがある、言葉を話さない、言葉以外のコミュニケーション
(指差しなど)がない、ジェスチャーが乏しい、大人の手を取ってもの
を取らせようとする(クレーン現象)、逆さバイバイをする、
言い聞かせても理解できないなど

 

③想像力の障害(こだわり・興味の偏り・常同運動など)

 

手をひらひらと振る、鳥がはばたくようにパタパタとする
動きを繰り返す、その場でくるくる回り続ける、
つま先歩きをする、光るものや回るものを見つめ続ける、

 

横目でものを見る、同じであることにこだわり、
少しでも環境や状況が変わると不安でパニックを起こす、
特定の物にこだわり同じ服しか着ない、偏食がひどい、
ものを一列に並べるなど

 

これら3つの特徴がそろい、ある時期を境に成長が
後退した場合、折れ線型の自閉症と診断されます。


 

突然成長が後退すると言われていますが、実際に
折れ線型の自閉症児を育てている人によると、
後退前に既に兆候があった、という人もいます。

 

【後退前の兆候】

 

眠りが浅い、あまり食べない、言葉は出ているが他人に
呼びかける言葉が出ない、言葉が出るのが遅い、
喃語が少ない、

社会的微笑
(赤ちゃんが親しんでいる人に向かって頻繁に笑いかける行動)

が少ない、横目でものを見ている上記のような、
自閉症の赤ちゃんに見られるような行動が、
目立たないながらもあるとの意見もあります。

 

折れ線型自閉症は、自閉症の中でも重度で、
予後が悪いと言われていました。

しかし、折れ線型自閉症の中にも重度から軽度まで
さまざまな状態が存在し、必ずしも重度になるとは
限らないことが、最近になってわかってきました。

 

一度発語が消えた後、再発語が割と早い時期にあった場合、
予後は比較的よいとも言われています。

実際に、会話がしっかりと成り立つ子もいます。

 

折れ線型自閉症であっても、ずっと成長が下降するのではなく、
必ず上向きになるときが来ます。

成長の後退にはどん底があり、そこからは必ず回復します。

 

どこまで成長するかは、その子が持って生まれた能力次第です。

ですから、折れ線型自閉症であるからといってあきらめることなく、
しっかりと子供に寄り添い、その子にとって一番良い状態に
してあげることを考えてください。


 

早期の療育が、その子の将来を左右します。

子供の異変に気付いたら、すぐに専門家に相談しましょう。