現在、自閉症の原因と考えられるものは沢山あり、
これが原因だ!という特定はされていません。

 

遺伝子の異常によって引き起こされるという説、環境によるという説、
それらが複雑に絡まって発生するという説、何らかのウイルス感染に
よって発症するという説、自己免疫疾患であるという説など、

様々な説が飛び交っています。


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自閉症の原因として考えられる沢山の原因のうち、親の高齢化や、
水銀が悪さをしている、
という説が取り上げられることがあります。

 

これらは事実なのでしょうか?

 

一つずつ、見ていきましょう。

 

【父母の高齢】

 

父親が高齢になると、自閉症の子供が生まれる確率が上がると言われており、
現代の晩婚化が自閉症児の増加と関連しているとも言われています。

実際に、父親が30代以下で子供を授かった場合に比べ、
40歳以上で子供を授かった場合の方が、
自閉症である確率が6倍高い、という報告もあります。

 

発達・精神的な障害の遺伝的リスクの原因は、
大半が精子にあると言われています。


子供を授かった時の父親の年齢が10歳上がると、
自閉症の発生率が2倍になるとも言われています。


 

しかし、父親が高齢だからといって、必ずしも
自閉症になるわけではありません。


あくまで一つのデータとして見てください。

 

なぜ、父親の高齢と自閉症の発生率に関係があるのかというと、
赤ちゃんを授かった時、父親が高齢だと、自閉症に関連すると
いわれる遺伝子の変異が多くなるからだと言われています。

女性の持つ卵子は、女性が生まれた時に既に原型が作られ、
それがだんだんと成熟していきます。

 

しかし、男性の持つ精子はその時その時に新たに作り出されるため、
年齢が上がるにつれ、遺伝子のコピーミスが増えると言われています。

生まれてくる子供は、遺伝子変異の97%を父親から受け継ぐと言われ、
母親の年齢はあまり影響しないと考えられています。


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ただし、全く関係ないかというとそうでもなく、10代の母親に比べ、
20代の母親では、自閉症児の出生が増加するという報告もあります。

しかし、父親や母親の高齢が自閉症に関連するというのはあくまで
可能性であり、それが原因であると断定するには至っていません。

 

【水銀】

 

一時期、自閉症の原因として、予防接種のワクチンの防腐剤チメロサールに
含まれるエチル水銀が注目されました。

エチル水銀が脳に影響し、自閉症を発症させる、と考えられていたのです。

 

これは、アメリカで折れ線タイプの自閉症(数か月~数年は正常に発達するが、
ある日突然発達が後退し、自閉症の症状を発症するタイプ)
の原因として
議論されたのがきっかけで、日本にも広まったものでした。

水銀と自閉症の関連を示す可能性のあるごく一部のデータが
存在するのは事実ですが、水銀が自閉症の原因であると
断定する科学的根拠はありません。

 

水銀と自閉症の関係を否定する科学的根拠のあるデータの方が、
圧倒的に多いのです。

水銀と自閉症に濃厚な関係があるのであれば、水俣病などの
水銀汚染地域で、本人や次世代に自閉症者の数が一気に
増えたというデータが出ているはずですが、そういった報告はありません。

 

また、メチロサール含有ワクチンの接種と自閉症の発生率を、
イギリスやアメリカで調査しましたが、関連は証明されませんでした。

水銀が原因とする説が広まり、水銀をデトックスするキレート療法が
流行しましたが、キレート療法を受けた子供が重症となる例もあります。

 

現在では、水銀が原因だとする説は、キレート療法へ
誘導するための理由として用いられていると考えられています。

以上のことから、水銀と自閉症の関係は、現在では完全に否定されています。

 

ですから、予防接種をむやみに恐れないようにしましょう。

予防接種を受けないほうが、よほど危険です。

 

以上のことから、父母の高齢が自閉症のリスクを高める可能性は
あるけれども、それはあくまで可能性であり、確実なものではない、
ということが分かります。


また、水銀は自閉症の発生とは関係ない
ということがお分かりいただけると思います。

 

子供が自閉症だからといって、
お父さんお母さんは自分を責める必要はありません。

また、周りの人も、お父さんお母さんを責めてはいけません。

 

正しい知識を持ち、自閉症の当事者にとってどうするのが一番いいのか、
ということを考えることに、エネルギーを使いましょう。