自閉症スペクトラム障害の人は、100人に1人~5人いると言われています。

自閉症スペクトラム障害には、自閉の状態が軽い人から重い人まで、
様々な自閉度の人が含まれています。

 

知的能力も、個人個人で違い、状況はまちまちです。


 

比較的自閉度の軽い人は、二次障害の程度や知的障害の
有無にもよりますが、社会に出て働くことも可能です。

 


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では、重度の自閉症の人の場合、
どういった生活をすることになるのでしょうか。
まず、きちんと理解しておいていただきたいことがあります。

 

それは、自閉症スペクトラム障害と知的障害は混同されがちですが、
それぞれ別の障害として考えられている、ということです。

ですので、同じ重度の自閉症でも、知的障害の有無によって、
状況は全く変わってきます。

 

それを念頭に、まずは重度の自閉症の人の中でも、
比較的IQが高い人の場合を考えてみましょう。

知的障害がない、あるいは知的障害が軽い場合、
重度の自閉症でも、障害者職業センターなどのサポートを受けながら、
社会生活を送ることができる場合があります。

 

実際に、障害者雇用で何年もしっかりと働いている人もいます。

知的障害がない、もしくは軽い場合、療育や特別支援学校などで、
社会適応力を身につけ、特別支援学校などでの職業実習を経て、
就職することが可能です。

 

そうやって、賃金は低いながらも、一生懸命働いている人たちが大勢います。

また、一般企業への就労が不可能な場合でも、
作業所に行くという選択肢もあります。

 

作業所では配慮が受けられますから、
一般企業への就労よりもハードルは低いです。


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では、重度の自閉症で、知的障害が重い人の場合はどうでしょうか。


 

残念ながら、重度の自閉症で、重度の知的障害のある人への対応は遅れていて、
受け入れ可能な施設も少ないのが現状です。


重度の自閉症と重度の知的障害を併せ持つ人たちは、
18歳(場合によっては20歳)になったら、在宅で過ごすか、
自閉症支援施設・障害者支援施設に入所することになります。

 

こういった施設は、主に知的遅れの重い自閉症の成人が
利用できる居住型の施設です。日常生活や作業(仕事)の指導、
余暇過ごし方の指導、健康管理指導が行われます。


それらは、日常生活や基本動作の訓練、職業訓練を兼ねています。

 

居住型の施設では、利用者個々の特性に応じた援助を行っているので、
本人にとっても居心地が良く、過ごしやすい環境を整えてくれるでしょう。

また、音楽や料理、工作などを行い、日中の活動の場を提供してくれます。

 

生産作業に従事することで、情緒の安定や動きの安定を図ることができ、
仕事で収入を得るという喜びを経験することもできます。

また、施設によっては、地域参加を促してくれるところもあります。

 

施設入所ができない場合は、共同生活援助(グループホーム)や
共同生活介護(ケアホーム)に入所することになります。

また、支援入所施設へ通所するという、
ショートステイとして利用する形をとることもあります。

 

自閉症支援施設はあまり普及しておらず、
重度の自閉症と重度の知的障害を併せ持つ場合、
知的障害者としての支援を受けることの方が多いでしょう。

速やかに自閉症支援施設を普及させることが、現在の課題です。

 

重度の自閉症者にも、必ず子供時代があります。

いきなり成人期が来るわけではありません。

 

健常者もそうですが、自閉症者は特に、幼少期・学童期・思春期に
どのような療育を受け、何を学び、訓練してきたかが、
生きていくうえでの基礎になります。

 

療育や学校での支援によっては、自閉の状態がマイルドになり、
社会生活が営めるようになる可能性は十分にあります。

 

幼いころから、成人期のことを考え、社会適応のスキルの獲得をめざし、
生活能力を少しでも向上させ、応用性を増やしておくことが重要です。


そのためにも、早期発見・早期療育が重要です。