自閉症の赤ちゃんの顔の特徴ですが、ダウン症などの障害のように、
一見して分かるような容貌をしているわけではありません。

 

昔は、「賢そうな顔立ちをしているのが自閉症の特徴」などと
まことしやかに言われた時期もあり、自閉症であるにもかかわらず、

「この子は賢そうな顔じゃないから自閉症じゃない」などという、
あきれた診断をするお医者さまもいらっしゃったようです。

 


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しかし、今は「自閉症児は必ず賢そうな顔をしている」
という説は否定されています。

もっとも、本当に賢そうな顔をしている場合もありますし、
言葉が話せなくても知能が高い場合もあります。

 

では、自閉症の赤ちゃんの顔の特徴とは、どのようなものでしょうか?


一見してわかる容貌という意味ではなく、「顔周辺に現れる特徴」
ととらえていただければ、と思います。

 

自閉症の赤ちゃんには、健常児であれば当たり前に起こるはずの
現象がみられない場合がある、と言われています。

その現象とは、「共鳴動作」と呼ばれるものです。

 

共鳴動作とは、生後1か月頃から見られる、あるいは、
生後20分ですでに見られるとも言われる、反射的な動作のことです。

たとえば、赤ちゃんの目の前で大人が口を開けて見せると、
赤ちゃんも真似をするように口を開けます。

 

赤ちゃんに食事を与える時に、保護者がスプーンをさしだし、
「はい、あーん」といいながら、口を開けて見せますよね?

そうすると、赤ちゃんはそれにつられて、自分の口を開けてくれます。

また、新生児の目の前で大人が「あかんべー」をするように舌を突きだすと、
赤ちゃんもそれを真似て、口をもごもご動かし、舌を突きだす動作をします。

それが、「共鳴動作」と呼ばれるものです。

 

つまり、「共鳴動作」とは、乳児が大人の動作に合わせ、同調・共鳴して、
それを反復することをいいます。


意識せず、意図することなく、反射的に模倣を行っています。


 

この無意識の動作は、赤ちゃんがはっきりと意識的に模倣をしようと
する行動ができるようになると、消えると言われています。

 

折れ線型の自閉症
(生後数か月から数年は正常に発達するが、途中で発達が退行し、自閉症の症状が出る)

以外の、早期発症タイプの自閉症児は、新生児のころから、
この「共鳴動作」をしない、と言われています。

 

共鳴動作は、感情共鳴の原点と考えられています。

自閉症児は、他人との感情のやり取りが苦手だと言われていますから、
感情共鳴の原点である「共鳴動作」をしない場合、注意が必要です。

 


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この「共鳴動作」には、ミラーニューロンが関わっていると言われています。

自閉症にはミラーニューロンの働きが関わっている、という研究報告も
ありますから、軽視できない特徴でしょう。

 

また、自閉症児は、新生児の頃から母親と目が合わない
といったことが多々あると言われています。

通常、健常児では生まれてすぐのころから、薄暗い場所でも母親の顔や
目を一生懸命に見つめます。

 

そうすることで、母親の顔を覚え、脳に刷り込み、
「この人は自分を守ってくれる人。安心していい人」と認識できるようになります。

しかし、自閉症児ではそういったことが少なく、母親が「何かおかしい」
と感じることもあるようです。

 

また、その時は気付かなくても、自閉症と診断されてから乳児の頃のことを考えてみると、
「そういわれれば目があわなかったな」と思うことも多いようです。

また、重度の自閉症児の場合、左右の目の焦点が合っておらず、
目つきに異常を感じる場合もあります。

 

ただし、斜視などの目の異常でも、左右の目の焦点が合わないことがあります。

ですから、左右の目の焦点が合っていないというだけで、
「自閉症ではないか?」と心配する必要はないでしょう。

 

以上の特徴は、あくまでこういった事例もある、というものですので、
過度に心配する必要はありません。

しかし、あまりにも発達に異常が見られたり、保護者の勘でなにか
おかしいと思う点があれば、不安の解消のためにも、一度専門家に相談しましょう。