発達障害の大人は、仕事で疲れやすくミスをしやすいか?

と言われれば、確かにそういう面があります。

 

そもそも、発達障害者は非常に疲れやすく、
普段の生活をしているだけで、生きているだけで、へとへとです。


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ではなぜ、発達障害者は疲れるのでしょうか。

 

発達障害と一口に言っても、
その中には様々な障害が含まれています。

発達障害には、大まかに分類して、

 

①自閉症スペクトラム障害
(広汎性発達障害・アスペルガー症候群・高機能自閉症など)

②ADHD(注意欠如・多動性障害)
③LD(書字障害・読字障害・算数障害などの学習障害)
④発達性協調運動障害(通称、不器用症候群)

 

といった障害が含まれます。

それぞれの障害で、疲れる理由は少しずつ違います。

まず、①自閉症スペクトラム障害の人が、何故疲れるのか。

 

自閉症スペクトラム障害の人は、一般的な感覚を持ち
合わせている多数派さん(健常者)よりも、鋭い感覚を
持っていることが多いです。

これを、「感覚過敏」と呼びます。

 

また、逆に、感覚が鈍いこともありますが、
これを「感覚鈍麻」と呼びます。

「感覚過敏」には、聴覚過敏・視覚過敏・触覚過敏・
嗅覚過敏・味覚過敏・痛覚過敏などがあります。

 

聴覚過敏だと、多数派さんが何とも思わない音が、
とても辛い音に感じますし、視覚過敏だと、
多数派さんが何とも思わない光をとても眩しく感じたり、
普通の色をどぎつく感じたりします。

感覚過敏は、通常より感覚が敏感になっている状態です。

 

なので、少しの刺激が、とても大きな刺激として感じられます。

自閉症スペクトラム障害の人が疲れやすい原因の多くは、
こういった感覚の違いにあるのです。

 

また、自閉症スペクトラム障害には、コミュニケーション能力の
障害があるため、他の人との言葉のやり取りに非常に気を使ってしまい、
エネルギーを消耗することが多くあります。

 

そういったことも、疲れてしまう原因です。


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次に、②ADHDが疲れやすい理由について。

 

ADHDの人は、一般的に注意力がないと思われがちですが、
実際には注意力が「偏っている」状態です。

異常な集中力を発揮してしまうことがあります。

 

これを「過集中」といいます。過集中では、多数派さんには
考えられないほどのエネルギーを、一度に消費しています。

そのため、過集中が切れた時には、虚脱が訪れます。

 

これが、疲れの原因です。

更に、③LDの人の疲れやすさは、個々の苦手分野に
取り組むときに、非常に努力を要するということでしょう。

LDの人たちは、知能は正常ですが、ある特定の能力だけが
極端に低い状態です。

 

なので、苦手なことに取り組むストレスが、
疲れやすさの原因だと思われます。

④発達性協調運動障害に関しては、不器用症候群と
呼ばれることもあります。

 

手先の細かな運動が苦手で、靴ひもが結べなかったりします。

そういった苦手な細かい作業に集中しなければならない苦痛は、
疲労に直結するでしょう。

 

発達障害者のミスについても、
それぞれの障害に起因する理由があります。

①自閉症スペクトラム障害におけるミスには、指示が
理解できなかったり、言葉の意味の取り違えが原因
になったりすることが多いです。

 

そのため、指示を出す人は、短い言葉で具体的に
指示する必要があります。

また、紙に書いて渡したり、メールで指示を出すと
いう方法をとるのも、効果的です。

②ADHDの人のミスとしては、集中力の欠如に
よるものが一番多いでしょう。

 

うっかりミスを頻発することが多く、本人も自覚してはいます。

チェックリストを活用したり、他人がチェックをする
体制を整えるなど、フォローが必要です。

 

③LDの人のミスとしては、書字障害であれば文字の書き間違い、
読字障害であれば読み間違い、算数障害であれば計算間違いや
数字の読み間違いなど、それぞれ特性から来るミスが多発します。

 

この場合も、各特性に合わせたフォローが必要となります。

④発達性協調運動障害の人のミスも、細かい作業や、
体全体を使う大きな動作が苦手という特性から発生します。

 

本人の得意とする仕事を任せる、
できることを任せるなど、配慮が必要でしょう。

①~④の障害は、単独で抱えている場合もありますが、
複数抱えている場合が多いです。

 

ですから、対処法も、個人個人に合わせて考える必要があります。

また、最初に述べた「疲れやすさ」が原因でミスをし、
そのミスについて叱責され疲れがたまり、またミスをしてしまう、
という悪循環に陥りやすいです。

 

ミスをしだしたら、「疲れ」のサインだと受け取って、
休憩を取ったり、頭を切り替えたりする時間が必要でしょう。

発達障害者は、自分の疲れを自覚しにくいという特性があるので、
周囲の人が意識して休息を取らせる必要があります。