自閉症スペクトラム障害とは、自閉症と、
自閉症を中心とするその周辺の障害の総称です。


 

アメリカ精神医学会の定める診断基準、DSM-Ⅳでは、
自閉症とその周辺の障害は、細かく分類され、
別のものとして扱われてきました。

 

しかし、自閉症に関する研究が進んできた今、
自閉症とその周辺の障害は別物ではなく、
実はひとつながりのものであると考えられるようになりました。


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重度の自閉症から、軽度の自閉症、そして健常者までつながる
一つの「自閉度」の連続体(スペクトラム)であると考えられるようになったのです。

そのため、新たに発表されたDSM-5では、自閉症とその周辺の障害は
一つにまとめられ、「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれることになりました。

 

【自閉症スペクトラム障害に統一された障害】

 

・自閉症(古典的自閉症、カナータイプの自閉症)
・高機能自閉症(知的障害を伴わない自閉症)
・アスペルガー症候群(言語発達の遅れを伴わない自閉症)
・広汎性発達障害(≒自閉症)
・高機能広汎性発達障害(≒高機能自閉症)
・特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)

自閉症スペクトラム障害は、知的障害とは別物です。

 

ですから、自閉症スペクトラム障害と知的障害が合併することもあれば、
知的障害を伴わない場合もあります。

 

しかし、重度の自閉症の大半は、知的障害を伴うともいわれています。
 

また、高機能自閉症とアスペルガー症候群については、
専門家の中でも別のものとする説と、同じものであるとする説があります。

現在では、この二つは分けて考える必要はないという考え方が有力なようです。

 


自閉症スペクトラム障害で障害者手帳が取得できるかということですが、取得は可能です。
ただし、障害者手帳の取得には一定の要件を満たす必要があるため、
必ずしも全員が取得できるわけではありません。

 


知的障害を伴う自閉症スペクトラム障害の場合、取得する手帳は療育手帳
(地域によっては「愛の手帳」「緑の手帳」「愛護手帳」などと呼ばれています)になります。
療育手帳の取得の基準は、IQが70もしくは75以下であることです。

 


この基準は自治体によって異なり、IQが70以下でないと取得できない
自治体もあれば、IQが75以下であれば取得できる自治体もあります。
また、IQが基準値以上であっても、自閉症スペクトラム障害である場合は
療育手帳の取得が可能な自治体もあります。

 

自閉症スペクトラム障害であれば、IQの基準がすこし高くなっていたり、
IQに関係なく療育手帳が取得できる場合もあります。

 

しかし、その場合であっても、「一定以上の日常生活の困難さ」
という基準をクリアする必要があります。


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知的障害を伴わない自閉症スペクトラム障害の場合、
精神障害者保健福祉手帳を取得することになります。

 

基本的には、自閉症スペクトラム障害での手帳の取得申請は
可能となっているのですが、自治体によっては、よほど重度である場合を除いて、
自閉症スペクトラム障害だけでの取得は難しいこともあります。

 

そのため、二次障害の統合失調症や双極性障害(躁うつ病)、
うつ病、不安障害などをメインにして申請する場合もあります。

療育手帳を取得する場合は、指定の判定機関で知能テストを受け、
生活の状況の聞き取り調査をしたうえで、療育手帳の発行の可否の判定が行われます。

 

精神障害者保健福祉手帳の取得は、自治体の担当課で主治医の診断書
(指定の様式あり)により申請をしたのち、交付の可否の判定が行われます。

療育手帳も、精神障害者保健福祉手帳も、取得の基準は
「日常生活や社会生活に制限がある」ことです。

 


また、精神障害者保健福祉手帳の場合、取得するには
「初診日から6か月以上が経過していること」が必須条件となります。

手帳を持つということは、障害者として国に認められるということです。

そのことに対し、抵抗がある場合もあるでしょう。

 

しかし、様々なサービスや支援を受けやすくするためのアイテムとして、
手帳はとても便利なものです。

 

具体的には、以下のようなメリットがあります。

参照:知的障害者福祉法の療育手帳制度

参照:知的障害者手帳の等級基準!

 

【手帳を持つことのメリット】

 

・様々なサービスや支援の手続きがスムーズにできる
・自立支援医療笙野発行手続きが簡単になる
・税金の減免がある

・加入している携帯電話の会社によっては、料金割引が受けられる
・障害者枠での就職が可能になる
・博物館、美術館、水族館、テーマパークなど、様々な施設で割引がある
・公共交通機関の割引がある

など

上記のメリットは、ほんの一部です。まだまだ、たくさんのメリットがあります。

自閉症スペクトラム障害と診断され、手帳を取得することを考えているならば、
まずは主治医に相談しましょう。

 

手帳取得が可能かどうか、判断してくれます。

 

手帳を取得したいと申し出て、取得が可能であれば、
診断書を書いてもらえたり、判定機関を教えてくれます。