統合失調症は、いろいろな刺激を伝える脳や神経などの
機能が障害される、慢性の病気です。

 

ドーパミン系やセロトニン系などの神経伝達物質のバランスが崩れることで、
様々な症状が出ると考えられています。

 
統合失調症では、緊張やリラックスをコントロールする機能、
意欲やその持続に関する機能、情報処理や認知に関する機能が障害され、
人と交流しながら、家庭生活や社会生活を送ることが困難になります。


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統合失調症には、幻覚や妄想などが現れる陽性症状と、
無気力や感情の欠乏といった陰性症状があります。

統合失調症の原因は、以下のように考えらています。

 

【統合失調症の原因】

 

① ドーパミンの働きが過剰になる

 
ドーパミンとは、気持ちを緊張させたり、興奮させたりする神経伝達物質です。

ドーパミンの働きを抑える薬が陽性症状に効くことや、ドーパミンを
活性化させる薬が統合失調症の陽性症状に似た幻覚・妄想を
引き起こすことから、ドーパミンとの関連性が濃厚だと考えられています。

 
中脳辺縁系でドーパミンが過剰になると、幻覚や妄想の陽性症状が出て、
中脳皮質系でドーパミンの機能が低下すると、陰性症状が出るといわれています。

症状だけを見ると、相反しているように思われますが、
どちらもドーパミンの機能不全によって引き起こされる症状と考えられています。

 

② ドーパミンとセロトニンの働きの異常

 

統合失調症の患者に、ドーパミンに働きかける薬を処方しても、
陰性症状は抑えきれません。

 

その状態で、セロトニンに作用する薬を処方すると、
陰性症状が改善することがあります。

 

そのことから、セロトニンが陰性症状に関連していると考えられています。

 
しかし、セロトニンに作用する薬だけを飲んでも、陰性症状は改善せず、
ドーパミンに作用する薬とセロトニンに作用する薬を併用したときのみ、
陰性症状が改善するため、ドーパミンとセロトニンのバランスが崩れることが、
統合失調症の原因なのではないかと考えられています。

 

③ グルタミン酸がかかわっている

 

グルタミン酸という神経伝達物質の機能の異常が背景にあり、
ドーパミンやセロトニンのバランスを崩している、という説があります。

このあたりのことは、まだ詳しくはわかっていません。


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これらを踏まえて、治療が行われます。
統合失調症の治療は、主に薬によって行われます。

 

【統合失調症の治療】

 

・陽性症状
 
薬がよく効く場合、薬の服用によって改善します。
 
・陰性症状
 

陽性症状の治療よりも難しく、根気がいりますが、
絶対に治らないわけではありません。

陰性症状を乗り越え、治癒している人もたくさんいます。

 
また、向精神薬があまり効かない場合がありますが、
現在では第二世代の向精神薬が発売され、陰性症状にも
効果があるといわれています。

抗うつ剤などの併用で、多少の改善がみられることもあります。
しかし、薬だけでは十分な治療は難しいといわれています。

 

【薬以外の治療、対策】

 

薬だけでは、陰性症状を十分に治療することができない場合、
以下のような方法で回復を目指すこともあります。

 
・作業療法
 
精神科デイケアや作業所、就労所などに通い、治療の一環として作業を行います。

 
・SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)
 
日常生活に必要な技術を学び、身につけます。

認知行動療法などを使って学ぶこともあります。

 

技術を身につけるだけでなく、「できない理由」が認知や感情に由来するときは、
内面にアプローチすることもあります。

参照:統合失調症は孫や兄弟に遺伝する?

参照:統合失調症の人は仕事が続かない?辞めたいときは?

 

参照:アスペルガー症候群の有名人一覧表

これらの方法で、陰性症状や認知機能の障害が
改善されることがあると報告されています。

統合失調症と一口に言っても、実は原因は様々で、いろいろな病気の
症状のみを見て「統合失調症」と言っているのではないか?

 

という考え方もあるようです。

ドーパミンやセロトニンに作用する薬を飲んで劇的に
改善する人もいれば、効果のない人もいるからです。

 
このように、統合失調症自体がまだ不明な部分が
多い疾患ですから、同じように治療をしても、回復過程も、
回復までの期間も、人それぞれです。

 

陰性症状が数か月で治まる人もいれば、数年単位で続く場合もあります。

陰性症状が長引いても、決して焦らず、ゆっくりと着実に
回復することを目指しましょう。焦って悪化させてしまっては、元も子もありません。