統合失調症とは、いろいろな刺激を伝える脳や神経などの
機能が障害される、慢性の病気です。

心の病として受け取られていますが、実際には脳や神経の病気です。

 
統合失調症を発症する詳しい原因はわかっていませんが、
ドーパミン系やセロトニン系などの、脳内伝達物質の働きが
異常になることで発症すると考えられています。


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脳内伝達物質のバランスが崩れることで、緊張やリラックスを
コントロールする機能や、意欲やその持続に関する機能、
情報処理や認知に関する機能が障害されるといわれています。

 

そのため、人と交流しながら、家庭生活や社会生活を送るうえで困難が生じます。

統合失調症には、陽性症状と陰性症状の二種類があります。

 

 

【陽性症状】

 

急性期に現れる症状です。安心感や安全であるという感覚を、著しく失います。

 

・眠れない
・音や気配に非常に敏感になる
・周囲が不気味に変化したように感じる
・リラックスできない
・頭の中が騒がしい
・大きな疲労感がある

 

・自分のことが周囲に筒抜けになっているように感じる
・常に人から見はられているように感じる
・悪口を言われて非難中傷されていると思い込む
・客観的には不合理だが、本人には確信できる妄想によって、行動が左右される
・幻覚がある
・妄想がある

など

 

 

【陰性症状】

 

主に回復期、安定期に現れる症状です。

症状として認識されにくく、怠けや努力不足と思われてしまうこともあります。

 

・根気や集中力が続かない
・意欲がない、無気力
・喜怒哀楽などの感情がはっきりしない、感情が乏しい
・横になって過ごすことが多い、一日中寝ている


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・一見元気に見えるのに、仕事や家事が続かない
・込み入った話を、簡潔にまとめて話すことが苦手
・会話を積極的に続けることが困難
・考えがまとまらない、頭が働かない
・話が飛ぶ
・自分でいろいろなことを決めて生活するのが難しい

など


 
陰性症状は、症状としてとらえられにくいため、
周囲の理解が得にくいという実情があります。

陽性症状に効く薬は多いのですが、
陰性症状に効く薬はほとんどありません。

 

そこで開発されたのが、「ロシュRG1678」という薬です。
ロシュRG1678は、「ビトペルチン」という薬で、スイスのロシュ社が開発しました。

ロシュ社は、医療・薬事業の双方に大きな強みを持っている、
研究・開発を行うタイプの、世界的なヘルスケア企業です。

 

ロシュRG1678は、統合失調症の陰性症状に効く、
革新的な薬として紹介されました。

日本では中外製薬が扱うことになっており、陰性症状に
悩むたくさんの患者が期待を持ちました。

 

今まで、統合失調症の陰性症状は、投薬治療が難しいといわれてきました。

エビリファイなど一部の薬は、陽性症状によく効き、
かつ陰性症状にも多少の効果があるといわれていましたが、
ロシュRG1678は、より陰性症状に特化した薬で、効果も高いといわれていました。

 

そのため、多くの人が期待をしていました。

 
2015年に日本でも発売されるのでは、という話もありましたが、
残念ながら治験の段階でクリアできなかった項目があるようで、
筆者が知る範囲では、実際には発売されていないようです。

 
治験の段階で、効果が思っていたほど出なかったという話もあり、
開発が中止になったともいわれています。

 
治験に参加した人の中には、効果があったという人もいるようですが、
全体的な成果としては承認に至らなかったようです。

現在、陰性症状を抑えるには、エビリファイやルーランがよく
選択されているようです。

 

また、非定型向精神薬のリスパダール、ジプレキサ、セクロエル、
ロセナンなどが、陰性症状に比較的効果があるといわれています。

参照:統合失調症、家族の対応方法!

参照:統合失調症の人は仕事が続かない?辞めたいときは?

 

参照:アスペルガー症候群の有名人一覧表

ロシュRG1678の発売が実現しなかったのは、非常に残念なことです。
脳神経系の研究は、まだまだ未解明の部分が多い分野です。

 

これからもたくさんの研究が行われ、徐々に発症の原因や薬の
作用機序などが明確になってくることでしょう。
陰性症状に効く薬が、早く開発されることを期待します。