最近、「大人の発達障害」が世間に知られるようになってきました。

そのため、発達障害のある人の仕事の問題も、よく目にするようになりました。



 
発達障害者は仕事ができないとか、続かないなどと言われますが、
実際にはどのような状況なのでしょうか。


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まず、発達障害の内訳について、少し説明しましょう。

発達障害と一言でいっても、障害の種類は様々です。

 

【発達障害に含まれる障害】

 
★自閉症スペクトラム障害
 
・自閉症(知的障害を伴う)
・高機能自閉症(知的障害なし)
・アスペルガー症候群(知的障害の有無にかかわらず、言語の発達に遅れがない)
・広汎性発達障害(知的障害を伴う場合がある)
・高機能広汎性発達障害(知的障害なし)
・特定不能の広汎性発達障害(知的障害を伴う場合もある)
など

 
★注意欠如・多動性障害(ADHD・ADD)
 
★学習障害(LD)
 
・書字障害
・読字障害
・計算障害
・その他の学習障害

 
★発達性協調運動障害
 
★トゥレット症候群

 
以上が、現時点で発達障害とされているものです。

これらの障害は、重複して抱えていることも多々あります。


 
また、知的障害を合併していることもあります。
このように様々な障害をひっくるめて「発達障害」と呼ぶわけですが、
発達障害者の就労状況については、その人の置かれている環境に
大きく左右されるようです。

 


障害の内容によって、仕事の向き・不向きは大きく違います。

例えば、自閉症スペクトラム障害の場合、比較的細かく繰り返しの多い
作業に向いているといわれています。

 

ADHDの場合、クリエイティブな仕事や、フットワークの軽さが必要な
仕事に向いているといわれています。

LDの場合、特定の分野が極端にできないという特性があるので、
その分野を除けば健常者と同じ能力を発揮することも可能です。

 

ですから、その人の障害特性や能力に合った仕事についている場合、
しっかり自立して長く働いている人もいますし、活躍している人もいます。


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筆者も自閉症スペクトラム障害とADHDを抱えていますが、
最初の営業職は不向きで、2か月ほどでうつ病を発症し辞めてしまいました。

 

その後就職したのは公的機関で、6年ほど働いていましたし、
持ち場ではリーダーを務めていました

(ただし、上司が変わったことで再びうつ病を発症し辞めました)。

 


ですから、適切な仕事・持ち場であれば、能力を発揮することは可能なのです。


ただし、そのような適職につける人は、発達障害者の中でもほんの一握りです。

テレビなどで、成功した発達障害者が取り上げられますが、
それは本当に運よく適職につけた人たちなのです。

 

大半の発達障害者は、自分に合った仕事や持ち場につくことができずにいる、
といわれています。

就職していたとしても、適していない仕事に就き、メンタルを病んで二次障害を発症
・悪化させ、仕事を辞めざるを得なくなる、というのが現状でしょう。

 


はじめはうまくいっていたのに、上司が変わったり、自分が部下を持つようになった
途端にうまくいかなくなる、という人もいます。

 
知的障害のないタイプでは、障害への理解が得にくく、
定職につきにくいのに対し、知的障害を伴うタイプは障害への
理解が比較的得やすく、定職についている率が高いともいわれています。


 
先延ばし癖や、約束が守れない、遅刻する、人の話が理解できない、
人の気持ちが読めない、物事の優先順位がわからない、
 
結果を考えず行動してしまう、落ち着きがない、片づけられない、
電話が苦手、などの特性を持つ発達障害者にとって、
社会にはたくさんの障壁が存在します。

 

しかし、それが障害特性によるものであるとは理解されにくく、
当事者は精神的に追い詰められてしまいます。

最近の仕事は、万能さが求められ、仕事も同時処理をすることが求められます。

また、単純作業は減り、対人関係の職業が大半を占めています。

 

そういった場合、営業職に向かないことが多い自閉症スペクトラム障害の
人にとっては、就職先が限られてしまいます。

学生時代は、「勉強ができる」ことでなんとか乗り越えてきても、
社会に出たとたん、人間関係に悩まされてしまい、
しかし何がいけないのかがわからず、自分を責めてしまいます。

 

うつや不安障害、依存症、パーソナリティー障害などの二次障害を
引き起こしていることも多く、それらがより社会生活を困難にしてしまいます。

参照:発達障害の特徴!1歳2歳3歳

参照:発達障害の子供の診断テスト!2歳3歳4歳

参照:アスペルガー症候群の有名人!公表した日本人は?


 

発達障害者(特に自閉症スペクトラム障害の人)にとって、高度な協調性、
対人スキル、臨機応変さ、いくつものタスクを同時にこなす仕事はかなり負担となります。

 
また、体力がなかったり、体力を消耗しやすい、ストレス耐性が低いということも、
長く働くことが難しい原因と言えるでしょう。

発達障害者が長く働くためには、当事者が働きやすい環境を整え、
周囲の理解を得て、二次障害を防ぐことが重要です。