自己愛性パーソナリティ障害とは、ありのままの自分を愛することができず、
自分は優秀で素晴らしく、特別で偉大な存在でなければならない、
そうあるべきだと思い込む、人格障害の一種です。

 
自己愛は、「ナルシシズム」ともいわれます。

ギリシャ神話のナルキッソスという青年に由来する言葉です。


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ナルキッソスは、美しい容貌を持っていました。

 

ある妖精がナルキッソスに恋をするのですが、
ナルキッソスはその妖精を冷たくあしらいます。

ナルキッソスは女神ネメシスの怒りを買い、
自分の姿に恋焦がれる罰を与えられます。


 
泉に映る自分に見とれたまま、
ナルキッソスはやせ衰えて身を滅ぼしてしまいます。

自己愛性パーソナリティ障害の有病率は、一般人口の1%、
病院にかかっている患者では2~16%と言われています。


 
また、女性より男性に多いともいわれています。

 

【自己愛性パーソナリティ障害の特徴】

 



・自分は重要な人間であるという誇大な感覚を持っている。
・成績や能力を誇張する。業績はそれほどでもないのに、優秀であると認められたがる。
・成功や権力、美しさ、才能、理想的な愛の空想にとらわれ、そうあるべきだと思っている。
・自分は特別であるべきだという思い込みがある。
 

・周囲に過剰な賞賛を求める。
・特別扱いや、自分の思い通りに相手が従うことを、理由もなく期待する。
・自分の目的達成のために、人を不当に利用する。

 
・他人にも気持ちや欲求があることを無視する。共感力が乏しい。
・すぐに他人に嫉妬する。または、他人が自分に嫉妬していると思い込む。
・尊大で傲慢な態度をとる。


 
以上のような特徴があり、日常生活や社会生活を送るうえで
本人が苦痛を感じている場合、自己愛性パーソナリティ障害と診断されます。


診断は、精神科や心療内科で行われます。

 

【自己愛性パーソナリティ障害の原因】

 
自己愛性パーソナリティ障害の原因となるものとして、
以下のようなものが考えられています。


 
・生まれつき、過度に敏感な気質である。
・現実に基づかない、バランスを欠いた過度の称賛を受けてきた。
・良い行動には過剰な賞賛を、悪い行動には過度の批判を、幼少期に与えられてきた。
・親、家族、仲間から、過度の甘やかしや過剰評価があった。

 
・並外れた容姿、能力に対する大人からの称賛を、過度に受けてきた。
・幼少期に心理的虐待に遭った。
・予測がつかず信頼できない親によって養育された。
・親自身の自尊心を満たすための手段として、扱われてきた。


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以上は、あくまで原因と考えられるものの一例です。

 

【自己愛性パーソナリティ障害の人への接し方】

 



パーソナリティ障害の人への対応というのは、基本的には難しいものです。

自己愛性パーソナリティ障害においても、同じことが言えます。

 
・関わりを最低限にし、刺激しないよう、つかずはなれずの関係を続ける。


・優劣を競ったり、直接的な批判や説教は避ける。間違っても、
当事者のすべての要求は受け入れないこと。必要な要望には応えても、
必ず自分の無理のない範囲で対応すること。


・当事者に大人の対応を期待しない。


・当事者の競争相手にはならないこと。
嫉妬を向けられるようなことは避け、当事者が脅威と感じる立場に立たない。


・味方とみてもらえるように振る舞うこと。
うまく関係を続けたいのであれば、称賛する側に回ること。


・対応に困ったら、必ず専門家に相談すること。
対応しようと努力して、振り回されて疲れ切ってしまっては元も子もない。


・時には、物理的に距離を置く必要があることも。

参照:自閉症大人の付き合い方と接し方

参照:自閉症の特徴2歳のクレーン現象とは?

 

【自己愛性パーソナリティ障害と仕事】

 
自己愛性パーソナリティ障害の人も、一般の人と同じように、
仕事ができる人もできない人もいます。

それは、病気とは関係ありません。ただし、自己愛性パーソナリティ障害を
抱えている場合、仕事ができなくても「できるふり」をすることに長けています。

 
人間関係がうまくいかないことが多く、仕事を転々とすることもあります。