境界性パーソナリティ障害とは、パーソナリティ障害(人格障害)の一つです。


人間は誰もが様々な性格を持っていますが、その性格の一部が
偏った状態になり、社会生活において自分も他人も苦しませて
しまう状態をパーソナリティ障害といいます。7

 


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パーソナリティ障害の中でも、次のような特徴がある場合、
境界性パーソナリティ障害に分類されます。
 

【境界性パーソナリティ障害の特徴】

 
・現実や妄想の中で、人に見捨てられること、裏切られることを極端に恐れる。


・対人関係の変動が激しく、コミュニケーションが安定しないため、対人関係を保つことが困難。
・気分や感情の変化が激しく、周囲の人がついていけない。

・感情のブレーキがきかず、すぐにかんしゃくを起こしたり、傷ついたりする。
・自分を壊すような行為(アルコール、過食、買い物など)に依存しやすい。


・常にむなしい気持ちがあり、幸せを感じにくい。

・生きることに対して、常につらさや違和感を抱いている。

・強いストレスがかかると、一時的に記憶がなくなったり、
自分が自分でないように感じたり、ぼーっとしてしまったりする

(解離、離人、抑うつ症状)。

・人の気を引きたくて仕方がない。

 
以上のような特徴があり、柔軟性が乏しく、不適応を起こしており、
持続的な著しい機能障害がある、もしくは本人が苦しんでいる場合に、
境界性パーソナリティ障害と診断されます。診断は、精神科や心療内科で行われます。


 
境界性パーソナリティ障害の原因に関しては、まだはっきりとはわかっていません。

もともと境界性パーソナリティ障害になりやすい性格傾向の遺伝や、
母親との愛情関係がうまくいかなかったなどの環境的要因が
複雑に絡んでいるのではないか、と考えられています。

 

【境界性パーソナリティ障害の治療】

 



境界性パーソナリティ障害の主な治療法は2つです。

気分が落ち込んだり、不安感が強かったり、怒りの感情があったり、
冷静でいられないなどの症状がある場合は、抗うつ剤や抗不安薬
などの薬を使って治療します。

 

それに並行して、精神科医や臨床心理士によるカウンセリング、
行動療法によって根気よく治療してきます。

カウンセリングや行動療法では、力動的精神療法、認知行動療法、
認知分析療法、家族療法、対人関係療法、集団精神療法
(グループセラピーなど)、デイケアなどの方法が用いられます。


 



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しかし、境界性パーソナリティ障害は、医師や臨床心理士の治療を
受ければ治るといった簡単なものではなく、本人が
「治したい、治りたい」という強い気持ちを持っていなければ、治療は進みません。

治療では、過去のつらい出来事や、なかったことにしてしまいたい出来事とも、
きちんと向き合う必要があるからです。


 

また、人によっては、治療は長期にわたります。

境界性パーソナリティ障害の特徴の一つである、「人間関係の不安定さ」は、
医師や臨床心理士との間にも起こります。

 

そうすると、治療は難航してしまいます。

患者本人が、医師や臨床心理士を信頼し、「治したい、治りたい」という
気持ちを忘れず、腰を据えて治療に臨むことが必要です。


 

基本的には外来での治療になりますが、
外来での治療が困難な時は入院して治療することもあります。

患者は20代が最も多く、30代半ば以降は、表面上の症状は
改善することが多いといわれています。

 

いったん改善し始めると、比較的早く治り、予後はよいと考えられています。

ただ、改善し始める状態に持ち込むまでが大変なことが多いようです。

 

【境界性パーソナリティ障害の人とのかかわり方】

 
境界性パーソナリティ障害の人は、常に不安や恐怖の感情を抱えています。

周囲の人を振り回して疲れさせ、
かかわりを遠ざけてしまうような行動が見られることもあります。

しかし、それは患者本人の自己表現の手段であり、周囲の人を
試している状態であるといわれています。

 

当事者がどうしてそのような行動をするのか、
周囲の人は冷静に観察する必要があります。

当事者を変えようとするのではなく、まずは受け入れ、
感情的に否定したりせず、冷静に対処していくうちに、
解決の方法が見えてくることもあります。

 

参照:軽度発達障害の将来!高校進学と就職進路は?

参照:重度の自閉症とは?特徴と原因


当事者とのかかわりを一人で抱え込まず、
困ったら必ず専門家に相談しましょう。

当事者を受け入れようとして、振り回されて疲れ切ってしまっては、
元も子もありません。


 
必要以上に当事者の要望に応えようとせず、
自分の無理のない範囲で対応するようにしましょう。

場合によっては、物理的に距離を置くことも必要です。