最近、映画やドラマで「サヴァン症候群」
という言葉をよく耳にするようになりました。

ある推理ドラマで、超有名アイドルがサヴァン症候群の
主人公を演じたことも、記憶に新しいでしょう。

 


「サヴァン症候群」とはいったい、なんでしょうか?


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サヴァン症候群は、知的障害や発達障害、脳機能障害などの
障害を抱える人のうち、ごく特定の分野に限って優れた才能を
発揮する人の症状のことを言う、とされています。


 

サヴァン症候群は、イギリスの医師が発見しました。

その医師は、知的には普通だが、ものすごい量の本を、
1回読んだだけですべて完璧に記憶し、さらにそれを
逆から読み上げるという、考えられないような記憶力を
持つ男性に出会いました。

 

そして、その男性の症状について、1887年に報告を行いました。

当時、その症状には「イディオ・サヴァン(賢い白痴)」という
名前が付けられましたが、後に「イディオ(白痴)」が差別用語
であることから、「サヴァン症候群」と変更されました。


 

なぜサヴァン症候群が起こるのか、その原因は特定されていません。

実際に、同じ症例はほとんどないのです。

各々、そのメカニズムは違っているのではないか、という考え方もあります。

 

ただし、脳の器質に何らかの要因があるということが考えられています。


また、サヴァン症候群には、先天性のタイプと、事故や病気で
脳を損傷したことにより、後天的にサヴァン症候群になったというタイプが存在します。



 

最近では、脳の画像診断の技術の進歩により、サヴァン症候群の人は、
多数派の人とは脳の使い方が違うことがわかってきました。


先天性のサヴァン症候群の人と、後天性のサヴァン症候群の人の、
才能を発揮しているときの脳の画像を調べると、ある共通点が見つかったのです。


 

それは、多数派は通常、一つの作業に対し脳の何百、何千という
領域を使って同時処理を行うのに対し、サヴァン症候群の人たちは、
脳の一部の領域のみを集中的に使い、それ以外の領域の働きを
ストップさせている、というものです。


 

このことから、脳の使い方の違いによって、サヴァン症候群が
起こるのではないかと考えられ始めています。



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サヴァン症候群には、自閉症スペクトラム障害の人や知的障害の
人が多いといわれています。

 

自閉症者の10人に1人がサヴァンとも、知的障害の人の2000人に
1人がサヴァンともいわれますが、これは「サヴァン症候群」を
拡大解釈しすぎているような気もします。


サヴァン症候群には自閉症スペクトラム障害の人が多いからといって、
「自閉症スペクトラム障害=サヴァン症候群」というわけではありません。


 
そのような間違った解釈をしないよう、気をつけていただきたいと思います。

サヴァン症候群の人が発揮する能力は、絵画だけでなく、
様々な能力があります。
 

【サヴァン症候群の才能の一例】

 
・通常の簡単な計算もできないのに、ランダムな年月日を示すと、
その日が何曜日か、すぐに言い当てる(カレンダーボーイ)。

彼らには、頭の中に何百年、何千年にもわたるカレンダーがあり、
言われた年月日のカレンダーがすぐに検索され「見える」そうです。


 

・一目見た風景を、細部にまで正確に写し取り、描くことができる(カメラ・アイ)


・オリジナルの細密画を描く。ありえないほど細かい絵を描く。


・本や電話帳、周期表、円周率を完璧に暗唱できる。
内容の意味が分からないまま覚えていることもある。


 

・音楽を一度聞いただけで、完璧に再現して演奏できる。
2曲同時にピアノを弾いても、きちんと1曲ずつに分けて弾けるという人もいる。


・一度も教えていないのに、素晴らしい作曲をする。


・日常生活には困難があるのに、数か国語を自由に操る、語学の天才。


・教えもしないのに、4歳や5歳など、ごく幼いころに
相対性理論を理解してしまっているような、数学の天才。

 

参照:自閉症は顔に特徴ある?見分け方

参照:発達障害の子供の特徴 2歳、3歳

以上は、ごく一部の例です。まだまだ、いろいろな能力があります。

しかし、共通していることは「記憶力」に関するものが多い、ということです。

 

これらの能力は、例えば建物なら一度見たものを正確に描けるのに、
乗り物はだめなど、対象物が変わるとできなくなることもあります。

 
サヴァン症候群まではいかなくとも、自閉症スペクトラム障害や
その他の発達障害を抱えている場合、能力の凸凹が大きく、
突出した才能を持ち合わせていることが多いです。


 
その場合、アメリカでは「ギフテッド(神様から才能を与えられた人)」
と呼ばれ、特別な教育を受けられる機会があるそうです。

自閉症スペクトラム障害などの障害とギフトを持ち合わせた
子どもたちのことを、「2Eキッズ(2重に特別な子)」とか
「3Eキッズ(3重に特別な子)」と呼びます。

 

サヴァン症候群や、ギフテッドについては、まだまだ未知の領域です。

これからもっと脳の研究が進み、様々なことがわかってくることでしょう。