どんな親でも、妊娠がわかれば、わが子には五体満足で、
障害や病気のないことを祈るものです。

しかし、実際には、みんながみんな、障害や病気を持たずに
生まれてくるわけではありません。

 

昔から一定数、障害を抱えて生まれてくる子どもたちがいます。

では、どうして障害を抱えて生まれてくる子どもがいるのでしょうか?


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なぜ障害を持った子が生まれるか、その原因は様々です。

 

ほとんどの障害の原因が、まだ不明であり、
はっきりと原因のわかる先天異常のほうが少ないのです。

そもそも、障害の種類も様々で、聴覚障害、視覚障害、心臓疾患、
知的障害、奇形、発達障害、その他様々な種類の障害があります。

 

それらは、それぞれ原因が違います。

原因がある程度分かるものとしては、以下のようなものがあります。

【障害の原因】

 

★染色体の異常

人間は、父親の遺伝子を半分、母親の遺伝子を半分、
コピーして引き継ぎ、生まれてきます。

その遺伝子がコピーされるときに、一定の割合でコピーミスが起こります。

 

ですから、両親が健常であっても、子どもが障害を抱えることもあります。

両親が高齢であればあるほど、遺伝子のコピーミスは増えるといわれています。

★母親が摂取したものが胎児に危険を及ぼす

喫煙や飲酒、一部の薬剤が胎児に悪影響を及ぼすことは、
現在では広く知られています。

また、葉酸の欠乏や、ビタミンAを過剰に摂取することで
障害が引き起こされることもあります。

 

★脳障害

未熟児で生まれたり、早産だったりなど、周産期の異常で起こることもあります。

★遺伝性疾患によるもの

親が遺伝性の疾患を抱えていると、子どもにその疾患が遺伝します。

★卵子の老化や精子の老化

特に、女性は生まれた時にすでに卵子を持っています。


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その卵子は、12~15歳頃まで時間をかけて成熟し、
成熟した後はどんどん劣化していきます。
劣化するということは、遺伝子に傷がつくなど、
胎児に不都合なことが起こる確率が高くなるということです。

★母体の感染症への感染

トキソプラズマや風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスなどの
感染症にかかると、生まれてくる子どもに障害が起こる確率が高くなります。
以上、いくつかの原因を取り上げました。

 

これらの中で、現在「感染症」に対する関心が、非常に高まっています。

特に、トキソプラズマや風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスなどは、
重度の障害を引き起こす可能性があるといわれています。

これらをまとめて、「TORCH症候群」と呼びます。

 

【TORCH症候群】

T…トキソプラズマ
O…その他(Others)
R…風疹ウイルス
C…サイトメガロウイルス
H…単純ヘルペスウイルス
これらの感染症の感染経路は様々で、胎児への影響も様々です。

胎内で発症するものから、生後数十年経ってから発症するものもあります。

発症率に関しても、低いものから高いものまで、様々です。

 

TORCH症候群のうち、日本ではトキソプラズマと
サイトメガロウイルスの頻度が高いといわれています。

トキソプラズマは毎年、数百人の子どもが先天性感染で生まれてきますし、
サイトメガロウイルスは毎年およそ1000人の子どもが障害を抱えて生まれてきます。

 

この2つの感染症は、母体の症状が少なく、感染に気付きにくいが、
胎児に大きな影響を及ぼすという特徴があります。

最近では、風疹ウイルスによる「先天性風疹症候群」も再び増えてきています。
母子感染について、もう少し詳しく見てみましょう。

参照:知的障害子供の特徴と対応

参照:自閉症スペクトラム幼児の特徴

【母子感染する感染症】

 

・ヒトパルボウイルスB19

胎内感染し、胎児に急性の症状を引き起こします。

 

・トキソプラズマ、梅毒、風疹、サイトメガロウイルスなど

胎内で感染し、生後も長期に及ぶ臓器や神経の障害を引き起こします。

・HSV、GBS、クラミジア

周産期に感染します。多くの新生児に、急性もしくは亜急性の症状が出ます。

・HIV

新生児期に明らかな障害はありませんが、
数か月から数年の潜伏期間を経て、感染した子どもの多くが発症します。

・HBV、HTLV

原則的に感染力は弱いですが、
数十年後に一部の感染者が発症することがあります。
これらの感染症によって、知的障害や脳性まひ、てんかん、自閉症、
視覚障害、聴覚障害、糖尿病、甲状腺の病気、白内障、小頭症、
水頭症、脳内石灰化などの障害が引き起こされるといわれています。

上に挙げた障害の原因は、ごく一部です。

ほとんどの障害の原因が未解明のままです。

感染症に気を付けること、喫煙や飲酒をやめることは、
努力することができます。

 

気にしすぎることはありませんが、防げるものは防ぎましょう。

また、母親だけでなく、父親の喫煙や感染症が原因となることもありますから、
妊婦さんだけではなく、周囲の人達の協力も必要です。