てんかんとは、病気や脳の損傷などの様々な原因によって、
脳内を流れる微量の電気信号が乱れ、失神やけいれん、
ぴくつきなどの症状が出る、慢性の脳の疾患です。

 

人間の体は、脳内の神経回路を流れる微量の電気信号に
よってコントロールされています。


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その電気信号が乱れると、体のコントロールを失い、けいれんや失神、
ぴくつきといった発作が起こります。その発作を繰り返すのがてんかんです。

 

てんかんには、原因がはっきりしている「症候性」と呼ばれるもの、
はっきりとした原因はわからないが、病気や脳の損傷が疑われる

「潜因性」と呼ばれるもの、原因不明で脳の体質と考えられる
「特発性」と呼ばれるものがあります。てんかんのほとんどは、
「特発性」だといわれています。

 

てんかんは、人口1000人のうち5~10人、つまり人口の0.5~1%が
発症しているといわれています。

3歳以下での発症が一番多く、次に18歳までの思春期ころの発症が
多いといわれています。

 

また、最近では高齢化に伴い、脳血管障害などを起こした
高齢者にも多く発症しています。

 
症候性てんかんについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

症候性てんかんでは、原因となる基礎的な脳の病気や脳の損傷があり、
そのために脳内の特定の領域に電気の過剰放電が起きます。

 

部分てんかんと全般てんかんの2種類があり、症候性てんかんの
ほとんどは部分てんかんにあたるといわれています。
 

【症候性てんかんの原因】

 

・小児期に発症する場合

 

先天性の脳の奇形、周産期のトラブルによる脳の損傷、
新生児や乳児期の頭部外傷、脳の感染症(髄膜炎や脳炎など)、
遺伝性の代謝異常など

 

・成人期に発症する場合

 
脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、アルツハイマー病などの神経変性疾患ほか
 

【症候性てんかんの症状】

 
症候性てんかんでは、ほとんどが部分発作です。

部分発作とは、脳の一部の領域が電気の嵐に巻き込まれる発作です。

 

そのため、脳内の異常放電が起こる位置によって、発作の症状は違います。

部分発作の内容としては、前頭葉てんかん・側頭葉てんかん
・頭頂葉てんかん・後頭葉てんかんの4つがあります。

 

多いのは、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、
頭頂葉てんかんであるといわれています。


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前頭葉てんかんでは、主に運動に関する部分から異常放電が始まり、
運動の能力に異常をきたす運動発作が出ることが多いです。

 

頭頂葉てんかんでは、感覚にかかわる脳の領域から始まり、
感覚の異常をきたす感覚発作が起こることが多いです。

側頭葉てんかんでは、側頭葉の内側底面、感情や行動に
かかわる脳の領域から異常放電が始まり、自律神経発作と
精神発作が起こることが多いです。

 

これらの発作に、しばしば意識障害を伴うこともあります。

精神発作では、意識が濁ったり、意識がないままうろうろと
動き回ってしまう自動症、認知に関する障害、恐怖などの
感情障害が発作中に起こることがあります。

 

この場合は、「複雑部分発作」と呼ばれます。

複雑部分発作は治療に反応しにくく、
難治性てんかんの大部分を占めるといわれています。

 

部分発作であっても、脳内の電流の異常が脳の全体に広がると、
「二次全般化」と呼ばれる状態になり、全般発作となることがあります。

参照:子供のてんかん症状!睡眠中の発作は?

参照:てんかん男性は赤ちゃんに遺伝する?

島崎遥香はアスペルガー?
 

【症候性てんかんの診断と治療】

 
脳の異常が特定の部分にあることを確認し、てんかんの原因が脳の傷なのか、
脳腫瘍なのか、脳の奇形なのかを調べて適切な治療を行います。

腫瘍が見つかった場合、外科的に治療します。


 
それ以外の場合は、抗てんかん薬によって治療することになります。

部分発作が主体の症候性てんかんには、カルバマゼピン
(商品名:テグレトール)が1番に選択されます。

 

カルバマゼピン(商品名:テグレトール)が副作用などで飲めないときは、
次にフェニトイン(商品名:アレビアチン)かバルプロ酸((商品名:デパケン)が選択されます。


外科手術の適応となる場合は、手術をすることもあります。