てんかんとは、失神やけいれん、体のぴくつきなどを主な症状とする、
様々な原因によって起こる慢性の脳の疾患です。


 
人口の0.5~1%がてんかんを発症しているといわれており、
そのうち3歳以下での発症がほとんどで、次に多いのが18歳までの
思春期ころの発症であるといわれています。

 

近年では、高齢化に伴い、脳血管障害を起こした高齢者にも
多く発症するようになっています。


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てんかん治療ガイドラインとは、日本神経学会が監修している、
てんかんの治療について書かれたものです。

日本神経学会ほか、日本てんかん学会、日本神経治療学会、
日本小児神経学会も協力して、ガイドラインをまとめています。

 

このガイドラインは、臨床医が適切なてんかんの診療を行うことを
支援する目的で作られています。

個々の患者の状態を正しく把握したうえで、てんかんの治療の現場で
参考にできるような内容になっています。

 

Q&A方式で書かれており、エビデンス(科学的根拠)に基づき、
治療法や診断方法について詳しく解説されています。

日本には約100万人のてんかん患者がいるといわれていますが、
それに対し、てんかん専門医の数は十分ではありません。

 

そのため、てんかんの治療は、てんかん専門医だけでは手が回らず、
てんかんを専門としない医師にもてんかんの治療について知ってもらうために、
このガイドラインが作成されました。

成人と小児てんかんの診断や検査、治療、予後についてまとめられています。

内容について、簡単に紹介します。
 

【てんかん治療ガイドライン】

 
・抗てんかん薬の表記
 
(日本で承認されているもの、未承認のもの、てんかん発作重積時に使う薬剤などの一覧)
 
・てんかんの診断、分類、鑑別すべき疾患について
 
・てんかんの検査について
 
脳波検査の意義や、画像検査について
 
・成人のてんかんの薬物治療について
 
高齢発症のてんかんも含む、薬物治療の解説
薬の開始時期と予後、避けるべき薬、効果の判定の仕方、薬の選択方法など
 
・小児・思春期のてんかんの治療について
 
どの発作型が多いのか、どの薬を選択すべきかなど
 
・難治性てんかんの薬物療法について
 
難治性てんかんの定義、どのような発作型があるか、
原因について、対応について、予後についてなど


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・てんかんの発作型別の治療について
 

各発作型の第一選択薬についてなど
 
・抗てんかん薬の副作用に関すること
 
・てんかん重積状態について
 
重積の定義、重積の時に使う薬、治療法の適用・不適用のことなど
 
・てんかん外科治療について
 
外科治療適用かどうかの判定方法、外科治療適用の発作型など
 
・てんかんの刺激療法に関すること
 
・てんかん治療の終わりとは
 
何年寛解していれば治療は終わりか、再燃のリスク、薬減量中の自動車運転についてなど
 
・薬物濃度モニターに関して
 
血中濃度測定、相互作用のある薬についてなど
 
・てんかんと女性について
 
妊娠、分娩、授乳についてなど
 
・心因性発作の診断
 
見分け方、治療法など
 
・てんかんの精神症状について
 
・急性症候性発作について
 
急性症候性発作の定義、原因、診察、検査内容、治療など
 
・てんかんの遺伝と遺伝子診断に関すること
 
子どもにてんかんは遺伝するか、遺伝子研究の現状についてなど
 
・てんかん患者へのアドバイスと情報の提供に関すること

 

参照:てんかん発作時の対応

参照:てんかん発作の症状種類と前兆!


 
患者にアドバイスすべきことがら、自動車免許のこと、
情報が得られる団体の紹介、公的援助についてなど
てんかんガイドラインには、以上のようなことが書かれています。

 

これをもとに、専門家でなくても、適切な診断、
適切な治療ができるよう工夫されています。

比較的症例の多い型のてんかん発作であれば、専門医でなくても
治療できるようになっています。

 

しかし、珍しい発作型であったり、難治性であったりすると、
やはり専門医に診てもらう必要があります。