てんかんとは、失神やけいれん、体のぴくつきなどを主な症状とする、
慢性的な脳の疾患です。

病気や脳の損傷によって、脳内の電気信号が異常になり、
大脳ニューロンの活動が過剰になることで発作を繰り返すといわれています。

 

人口1000人のうち、5~10人がてんかんを発症しているといわれています。


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つまり、人口の0.5~1%がてんかんを発症している計算になります。
てんかんの原因は、脳の病気や損傷、奇形が原因であることは、
今までにもわかっていました。


 
しかし、そこに遺伝子が絡んでいることは、最近の研究でわかってきました。

 
てんかんには、脳の病気や損傷などの原因がはっきりしている
「症候性」と呼ばれるもの、原因ははっきりしていないが何らかの
病気や損傷がうたがわれる「潜因性」と呼ばれるもの、原因不明で
脳の体質と考えられる「特発性」と呼ばれるものがあります。

 

てんかんのほとんどは、「特発性」のてんかんであり、遺伝しません。

ただし、「てんかん発作が起こりやすい脳の体質」は、
遺伝することがあるといわれています。

 

しかし、その体質が遺伝しただけではてんかんを発症せず、
何らかの要因があってはじめて、てんかんを発症するといわれています。

脳の体質によるてんかんの場合、
比較的良性で治療しやすいといわれています。

 

「症候性」のてんかんの場合、遺伝することはありません。
現在、特定の遺伝子の異常によりてんかんを発症するという
研究結果が出ているものを取り上げてみます。
 

【若年性ミオクロニーてんかん】

 
思春期(8~20歳)に発症するてんかんです。

眠っていて起きた時に、体がぴくぴくするミオクロニー発作が起きたり、
体中が硬直する、強直発作が頻発します。

 

てんかんの中で、比較的多い発作型で、全てんかん患者の7~9%、
特発性てんかんの20~25%を占めるといわれています。

若年性ミオクロニーてんかんでは、第6染色体の一部領域に
特異的な変異があることが、研究結果からわかっています。


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特発性てんかんは、てんかん全体の7~8割を占めるともいわれており、
発症には遺伝子の突然変異が関与していると考えられています。

原因と考えられる遺伝子は100を大きく超えるともいわれており、
まだまだ解明の途中です。

 

【家族性特発部分てんかん】

 
発作が始まる部分により、いくつかのタイプに分けられます。

・家族性側頭葉てんかん

・常染色体優性夜間前頭葉てんかん
(夜間眠っている間にけいれん発作が起こります。
乳児期に発症し、親にも同じ症状が出ています)


・多様な焦点がある家族性焦点性てんかん
 

これらのてんかんには、遺伝子の異常が認められています。

遺伝子の異常により、ある種のたんぱく質が作られなくなり、
シナプスの働きが異常になることでてんかん発作が
引き起こされると考えられています。

 

特に、記憶を司る海馬でそのたんぱく質が失われることで、
シナプスの信号の伝わり方が異常になるといわれています。

幻聴や幻覚を伴う症状がみられることがあります。

 
遺伝子が原因でてんかん発作が起きるとなると、
気になるのは子どもに遺伝するのではないか?ということです。

 

てんかん患者の子どもがてんかんを発症する確率は、
4~6%といわれています。

そのうち、特発性のてんかんは11%、症候性のてんかんは3.2%、
全般発作は9.2%、部分発作は1.8~5.9%であるといわれています。

 

てんかん患者の子どもがてんかんを発症する確率は、
一般人の2~3倍になるといわれていますが、
それほど高い確率ではありません。

参照:てんかん薬の飲み合わせ注意

参照:てんかん発作の治療!薬と副作用


島崎遥香はアスペルガー?
 
遺伝性のてんかんであれ、特発性のてんかんであれ、
遺伝子の異常がてんかんを発症していることもある、
ということは研究結果で明らかになりつつあります。

しかし、遺伝子とてんかんとの関連については、
まだ未解明の部分もたくさんあります。

 

また、遺伝子に異常があるからといって、
かならず子どもに遺伝するとも限りません。

健康な両親から生まれたてんかん患者も、たくさんいます。

 

遺伝子とてんかん発症の関連については、いまはまだはっきりと
言えることが少ないのです。

これからどんどん解明されていくことでしょう。